分散型自治組織(DAO)の総数、ガバナンス提案の提出数、投票数は、いずれも過去12カ月で8倍という驚異的な伸びを示している。

Snapshot Labsがまとめたデータを、エレクトリック・キャピタルのエンジニアであるエムレ・カリスカン氏が6月9日のツイートで共有した。DAOの数が2021年5月時点の700から現在6000と8.8倍に増えていることが浮き彫りになった。提案数は8.5倍に、総投票数は44万8000票から370万票とこの12カ月で8.3倍に増えている。

Snapshotは、DAOのメンバーが新しい取り組みを提案し、投票できる分散型ガバナンス参加ポータルサイトである。データはWeb3の投資会社であるElectric Capitalと共同で作成されたものだ。

この結果は、分散型ガバナンスモデルにとって有望なことなように見えるが、参加者の増加は、最も活発なほんの一握りのDAOによってもたらされたものだ。新規提案のほとんどは10%のDAOからであり、60%のDAOは設立以来3件以下の提案しかなかった。

とはいえ、全体的に見れば、DAOの仕組みに対する信頼感を示す印象的な成長である。

ライバルのDAOトラッキングツール「DeepDAO」は若干数値が異なり、6月10日時点で4,833のDAOが存在するとなっている。

カリスカン氏は新たな提案の増加について、「Constitution DAO」の人気とそれが幅広く報道されたことがが原因だと考えている。これは、米国憲法の原本を購入する目的で昨年11月に設立された組織だ。DAOは最後の最後で競り落とすことに失敗したが、このような組織が持つ力を証明した。

Most DAO proposals come from just 10% of organizations.

DeepDAOによると、提案数ではPancakeSwapとDecentralandがそれぞれ3300と1200でDAOの中でトップ2となっている。執筆時点で100件以上の提案があるのは、上位72の組織のみとなっている。

DAOの成長は全体的に有望な数字であるにもかかわらず、6月7日に米議会上院から出された法案に変更がなければ、その成長を抑制する可能性がある。この法案は、すべての仮想通貨プロジェクトが政府に登録し、ユーザーと創設者の身元を明らかにするよう求めている。