デジタル・インボイスを手掛けるスタートアップであるトレードシフトのクリスチャン・ラングCEOは9月19日、サプライチェーン分野でのブロックチェーン利用について慎重な見方を示し、CNBCに対して同技術が「まだ準備できていない」と述べた。

CNBCとのインタビューで、ラング氏は個人識別や認証といった分野におけるブロックチェーンのユースケースについて強調したが、サプライチェーンについては現状では技術的課題が大きすぎると指摘した。

「真正性を確保したり情報の出処を知りたい場合、信頼できる手段を用いる必要がある。 … (ブロックチェーン)はそういったフローを実現するのに最適な技術であり、確実に完全性を保つことができる」と語り、次のように付け加えた。

「問題は、それ(ブロックチェーン)が高パフォーマンスな技術でないということだ」

分散台帳技術を利用したサプライチェーンのパフォーマンス向上への見込みに関する話題は、世界的に盛り上がりを見せている。複数の世界的有力企業が従来型インフラにブロックチェーンベースのソリューションを実装したり、それへ向けた検討を行っている。

しかし、ラング氏にとってそのような楽観的見方は時期尚早である。「ブロックチェーンと誰かが言ったとき、本当に言いたいのはモノとモノをデジタルに繋ぎたいということだと思う」とし、彼は続けてこう述べる。

「それを担うにはブロックチェーンにまだ成熟が足りないと思う。…誇大宣伝の一部には注意を払いたい」

ラング氏はまた、「大規模な」ブロックチェーンの展開を行なう難しさと費用面のハードルについて強調している

ラング氏が慎重な見方を示す一方で、業界大手によるブロックチェーン活用は進んでいる。今年8月にはIBMと海運大手のマークスが、 ブロックチェーン貿易プラットフォーム「トレードレンズ(TradeLens)」を立ち上げている。