分散型金融(DeFi)が大流行している中、中国のブロックチェーンスタートアップが、グローバルなDeFiイニシアティブを立ち上げた。

パーミッションレスなブロックチェーンを手掛けるスタートアップであるConflux Networkは、業界プレイヤーの国際協力にフォーカスした新しいDeFiの業界団体を立ち上げた。

「Open DeFi」と呼ばれる新しいアライアンスは、欧米とアジアのDeFi市場を結び付け、中国を拠点とするブロックチェーン企業とグローバルなDeFiスタートアップを統合し、クロスボーダーな市場の成長や持続可能性、イノベーションをより合理化させることを目指している。

9月3日の発表によると、新しい組織は上海科学技術委員会がサポートしているという。Coinfluxによって開始されたOpen Defiは、中国のDeFiプロトコルであるdForceなどの業界プレイヤーで構成されている。ほかの参加者には、ブロックチェーンに焦点を当てたベンチャーキャピタルであるセコイアキャピタル、ブロックパワーキャピタル、アンテロープホールディングス、DeBank、MCDEXなどだ。

アライアンスのメンバーは、リスク管理、新しい流動性戦略、インキュベーションとイノベーションという3つの主要なテーマに取り組んでいくという。

リスク管理を手掛けるメンバーは、DeFiサービスのスマートコントラクトにおけるセキュリティ確保を目的としている。機関投資家や仮想通貨取引所は、流動性を高めるための新しいプーリングおよびトレーディング戦略にフォーカスする。また新しいDeFiオファリングでも協力し、そのインキュベーションとして新しい戦略的パートナーシップを活用していくことも計画している。

DeFiは、かつてブームだった仮想通貨(暗号資産)を使った資金調達手法であるイニシャル・コイン・オファリング(ICO)と比較して論じられる場合もある。2020年にDeFi業界は、そのプロトコルでロックされている資金の総額が1月時点の10億ドルから、8月末には90億ドルにまで急増している。DeFiの概念は、スマートコントラクトにレンディングなどの金融サービスを組み合わせたブロックチェーン基盤の分散型アプリケーションだ。

DeFiは、2020年に複数の業界団体やパートナーシップを生み出している。今年3月、DeFiプロジェクトのRenは、仮想通貨投資企業のポリチェーンキャピタルとともにコンソーシアムを立ち上げている。4月には、TDアメリトレードと大手DeFiプロジェクトであるコンパウンドなどが、DeFi企業へのサポートを目的としたシカゴDeFiアライアンスを立ち上げた。さらに8月中旬には、大手仮想通貨取引所のフォビが、メーカーダオやコンパウンド,dYdXなどのメンバーで構成されるグローバルDeFiアライアンスを立ち上げている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン