中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタル人民元。今週前半、英国のスタンダードチャータード銀行がパイロットプロジェクト参加を発表したが、さらに3つの外資系銀行が加わり、合計で4行が試験に参加することになる。
地元メディアの報道によると、香港のHSBC、恒生銀行、台湾の富邦華一銀行も自社のプラットフォームにデジタル人民元の統合を進めている。これら4行の外資系銀行は、顧客がデジタル人民元の送金や引き出しを行えるようにする。
特に恒生銀行は、個人銀行顧客が公式のデジタル人民元アプリ内でデビットカードを紐付け、デジタル人民元を引き出せるようにした。また、恒生チャイナモバイルバンキングアプリを通じてデジタル人民元ウォレットをチャージすることも可能だ。HSBCも同様に、リテール用のデジタル人民元の使用を顧客に提供している。
富邦華一銀行に関しては、モバイルバンキング経由でデジタル人民元をチャージし、銀行カードを使用してCBDCを使って支払いができるようになっている。同行は、貿易、スマートコントラクト、国際送金、サプライチェーンファイナンスにおけるデジタル人民元の応用を検討するとしている。
恒生チャイナの副会長兼社長である宋躍昇氏は、進行中のデジタル人民元 CBDCパイロットを利用して「新しい消費シナリオを創出し、サービスシステムを充実させ、新たな消費活力を刺激し、ビジネスチャンスを提供する」と述べた。
前日には、スタンダードチャータードが「クロスボーダー決済、貿易ファイナンス、サプライチェーンファイナンス」などの分野でデジタル人民元 CBDCの実験を行っているとした。
先月には、デジタル人民元が初めて国境を越えた石油取引の決済に使用された。この取引では、中国石油天然気集団が100万バレルの石油をCBDCで購入した。2023年の最初の3四半期における人民元の国際決済利用は前年比35%増の1兆3900億ドルに達した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン