英国の多国籍銀行スタンダード・チャータードが、中国のデジタル人民元の試験に参加する予定だ。これは中国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の試験に参加する初の外国銀行となる。

11月27日の発表によると、スタンダード・チャータードはパートナーであるシティバンク・クリアリングサービス社を通じて、顧客が銀行口座内でデジタル人民元の購入、交換、償還を行えるようにする。「165年にわたり中国市場に根ざす国際銀行として、スタンダード・チャータードはデジタル人民元の発展を楽観視している」とスタンダード・チャータード・チャイナのシャオレイ・チャン社長は述べた。

スタンダード・チャータードはまた、現在26の都市と省で進行中の中国のデジタル人民元CBDCのパイロットテストプログラムに参加する。スタンダード・チャータードは、クロスボーダー決済、貿易金融、サプライチェーンファイナンスを検討分野として挙げている。

昨年、スタンダード・チャータードは香港で「多国間中央銀行デジタル通貨ブリッジ」の概念実証テストプロジェクトに参加し、個人と企業顧客向けのクロスボーダー決済サービスを提供した。2023年5月、スタンダード・チャータードはプライス・ウォーターハウス・クーパース(PwC)チャイナと共同で「中央銀行デジタル通貨が創造する未来の銀行エコシステム」という報告書を公表し、リテール、貿易、サプライチェーンファイナンスの分野におけるCBDCの応用見通しについて議論した。

中国人民銀行は11月24日、商業支払処理業者が消費者取引のためにデジタル人民元CBDCを統合するよう呼びかけた。2020年の開始以来、デジタル人民元の取引は1兆8000億元(約37兆円)を超え、ウォレットの数は1億2000万に増加している

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン