仮想通貨担保の融資サービスを展開する「マネートークン(MoneyToken)」が、米サークル社がこの夏発行する予定の「USDコイン(USDC)」を採用する。サークルは仮想通貨関連のサービスを開発する企業で、ゴールドマンサックスも出資している。2月に米国の大手仮想通貨取引所Poloniex(ポロニエックス)を約437億円で買収したことは記憶に新しい。

 マネートークンは「仮想通貨を担保にローンを組める」ユニークなサービスだ。利用者は、ブロックチェーンを基盤としたプラットフォーム内で即座に借入ができる。仮想通貨市場に流動性をもたらす可能性を秘めており、Bitcoin.com創設者 ロジャー・バー氏等の大物もアドバイザーを務める。

 マネートークンでは通常の銀行ローンと違い、審査なしで即座に手続きが完了。仮想通貨のネットワークの混雑具合によるが短時間で融資を受けることができる。現在はビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)を担保に、4種類の仮想通貨(USDT、DAI、BTC、ETH)を借りることができる。借りられる通貨として価格が安定しているステイブルコインを主に採用し、将来的には日本円を含めた「法定通貨のローン」を検討している。

【言葉の解説:ステーブルコイン】米ドル、ユーロ、金価格等の資産価格と連動し、ボラティリティが低く値動きが安定した仮想通貨のこと。テザー(USDT)、DAI、BitUSD、Basecoin、Carbon等がある。

 

 サークルが今年の夏に発行する予定のUSDCはイーサリアムをベースにしたERC20トークンであり、1対1の比率で米ドルと連動する。

 現時点で、マネートークンの利用者が借入できるステイブルコインはUSDTとDAIだけだ。ただし、USDTには多くの疑惑がつきまとうため、所有することを躊躇(ちゅうちょ)するユーザーも少なくない。「USDTには信頼性が欠如している」(マネートークン社担当者)

 (参考記事「テザーが新たに2億5000万ドルのUSDTトークンを発行」)

 これに対し、サークル社によるUSDCは第三者による監査や発行の仕組みがしっかりしており、信頼性が高いといわれる。

 マネートークンの同担当者も「USDCはもっとも信頼される価格安定資産になるだろう」としている。

 マネートークンでUSDCの取り扱いが始まれば、テザーに懐疑心を持っていたユーザーが同プラットフォームに流れてくる可能性がある。特に、市場が好転し機関投資家がUSDCを使うようになれば、大口のローン需要も見込める。今後の展開に期待だ。

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