マイクロソフトは、自社とOpenAIプロジェクトの開発費用上昇に対処するため、独自のAIチップ開発に秘密裏に取り組んでいる。ザ・インフォメーションが報じた。

2019年以降開発が進められていたとされるマイクロソフトのハードウェア事業は、同社がエヌビディアのGPUへの依存を減らすことを目指しているとみられる。

機械学習システムのトレーニングに人気のあるNvidia H100は、市場の供給不足のため、eBayなどのリセラーサービスで4万ドル(約440万円)もの高値で取引されている。

こうした高コストが原因で、メタ、グーグル、アマゾンなどのビッグテック企業が過去数年間で独自の機械学習チップを開発している。

詳細はまだ不明だが、The Informationの報道によると、このチップは「アテナ」というコードネームで開発されており、生成型AIの競争が激化する中で、ギリシャの戦争の女神にちなんで命名された可能性がある。

また、新しいチップはすでにマイクロソフト社内の機械学習チームとOpenAIの開発者たちによってテストが行われているとのことだ。

OpenAIがマイクロソフトのAIチップをどのように利用するかは現時点では推測の域だが、OpenAIの共同創設者でCEOのサム・アルトマン氏はマサチューセッツ工科大学での講演で、GPT-1からGPT-4までのインフラと設計は「もう限界」で、新たな考え方が必要だと述べた。

「巨大なモデルが主役だった時代は終わりだ。他の方法でモデルを改善するだろう」

一方、AI分野のニュースが相次いで報じらられる中で、アマゾンが新たな競合相手として参入し、同社初の自社開発モデルをBedrockをAIインフラ展開の一環として導入した。

また、4月17日には、イーロン・マスク氏が、Foxニュースのタッカー・カールソン氏とのインタビューで、ChatGPTの左派バイアスに対抗するとされる「真実追求型」の大規模言語モデルであるTruthGPTの近日中のローンチを発表した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン