ニューヨークのファッションウィークは、ブランドファッションの世界にも仮想通貨の時代が到来することを予感させるものとなった。フィナンシャル・タイムズ(FT)紙が今月8日に伝えたところによると、ショーの合間に出席者たちは最近の仮想通貨市場の急落について意見を交換していたという。
ベルギー出身のデザイナー、ラフ・シモンズ氏のショーは、まるで「証券ブローカーたちが目的のために手段を選ばないような熱っぽさで低額面株と仮想通貨を売り込む、悪徳証券会社の小部屋のようだった」という。
シモンズ氏のショーには、手術用の手袋とラバー製のブーツを合わせた細身の三つボタンスーツやコート、スリットが入ったタートルネックのニットが登場した。ニットの中にはドラッグの略称である「XTC」や「GHB」という言葉が入ったパッチが当てられている物もあった。「XTC」はビットコインの略語「BTC」と一文字違うだけだと冗談を言いつつ、
FTは、シモンズ氏がデザインする服は
「最近の若い投資家にぴったりだ。彼らは父親の世代のキートンやゼニアのスーツよりも、仮想通貨取引所コインベースやオンライン証券のTDアメリトレードを好む」
と評した。
デザイナーのトム・フォード氏のショーでは、「ウォール街も認めるプリーツパンツ」にヘビ柄がプリントされたネクタイを合わせるというスタイリングが登場した。ショーの最後に、初の下着コレクションが発表され、「アニマルプリントやメタリックに輝く」シルクのボクサーパンツが披露された。
FTはトム・フォード氏の下着コレクションは、副業として仮想通貨の取引をするウォール街のビジネスマンの「新しいユニフォーム」になるかもしれないという見通しを立てている。
「家で仮想通貨の取引をするデイトレーダーにも着るものが必要だ。」