仮想通貨エコシステムの汚職や詐欺関連のニュースに焦点を当てたウェブサイト「クリプトリークス」が、弁護士のカイル・ロシュ氏とアバ・ラボ(Ava Labs)の間で密約があったとの暴露がされる中、ロシュ氏は29日、ミディアムへの投稿で反論した。アバ・ラボCEOのエミン・グン・シラー氏と同様に、ロシュ氏も当事者間の密約の存在を否定している。

ロシュ氏は、クリプトリークスのウェブサイトで公開されている録音は、ICPトークンの作成者であるドミニク・ウィリアムズ氏の命令で行われたと主張。ロシュ氏の事務所であるロシュ・フリードマンは昨年10月、ウィリアムズ氏と同氏のディフィニティ財団(Dfinity Foundation)に対して集団訴訟を起こしている。ロシュ氏によると、録音はかなり編集されており、彼はその中で行った発言の真偽を否定しているという。ロシュは次のように否定した。

"ビデオの中の発言は(中略)虚偽であり、私を酔わせ、そして誘導尋問を使って搾取するという意図的な計画を含む、欺瞞的な手段によって得られたものだ。"

公開されたビデオには、2つの別々の場面でロシュ氏が映っている。1つはレストランで録画されたもので、ロシュがワイングラスを持っている姿が映っている。もう1組のクリップは、オフィスでの収録のようだ。

一方のシラー氏は29日にも、ミディアム上でクリプトリークスについてコメントを出している。シラー氏は、アバ・ラボ社がロシュ氏の法律事務所と密約を結び、競合他社を「害する」ために米国の法制度を操作しているという内容を否定をした。シラー氏は次のように書いている。

「ロシュ氏は当社の経営陣ではないし、彼がかつて当社の代理を務めていたいくつかの小さな案件を除いては、彼に助言を求めることはない。(中略)彼は、彼の得意とする分野で、当社にとって重要度の低い数件の案件を扱ったに過ぎない」

内部告発者からの情報に基づいて調査を開始すると主張する匿名サイト「クリプトリークス」は、ロシュ氏の録音以外に、元パートナーがロシュ氏とそのパートナー、彼の法律事務所に対してフロリダ州の巡回裁判所に提出した訴状が、密約の証拠になると主張している。

Cryptoleaksのウェブサイトに掲載された内容によると、「法律サービスの対価として、アバ・ラボはロシュ・フリードマンLLPに2019年9月30日から36カ月間にわたって一定額のトークンを支払うことに合意した」とされている。