SNSの未来は仮想通貨+オフラインの世界?

「SNS離れ」が深刻だ。フェイスブックと米ヤフーにおける10億人単位のデータ漏洩、ツイッターにおける偽アカウントの横行、反社会的な映像であふれるYouTube。インスタグラムは現実離れした自慢大会となり、LINEでのやり取りが人付き合いのストレスを増長する。

それでもなぜか気が付くと2時間以上スマホを眺めている自分がいる。友達が増えたわけでもない。彼女ができたわけでもない。青白く光るスマホが僕らの疎外感をいっそう助長する。もともと個人に発信力をあたえ、既存の区分をこえた新たなコミュニティを生み出すことが期待されたSNSだが、今曲がり角にきている。

そこで生まれたのが「Kuende(クエンデ)」という「実生活応援型」SNSアプリだ。分かりやすく言うと、イベントやミートアップ等実際の生活での出会いやアクティビティを通して、ゲーム感覚で仮想通貨ポイントをやり取りできる、いわば「フェイスブック」+「LINE」+「ポケモンGo」のブロックチェーン版だ。シリン・ラボが開発する「ブロックチェーン携帯」にもプレ・インストールされるといい、今後の普及が見込める新たなSNSだ。

9万人使用のアプリ グーグル出身者が開発

Kuendeが面白いのは既にユーザーが9万人もいるということだ。2015年に約3億円を調達して以来、グーグルの元開発者を複数名迎え入れiPhoneアンドロイドの両方でアプリを展開している。(ちなみにGoogle Play上では★4.7と高評価だ。)アイデア先行のブロックチェーンの世界では、既にアクティブユーザーを抱えるプロジェクトは少なく、評価ポイントだ。

さらに米国で有名なビットコイン財団のチャーリー・シュレム氏 (Charlie Shrem) が顧問に就任している。2011年からビットコインに関わりはじめ、後にはロジャー・バーやウィンクルボス兄弟からも投資をうけたビットコイン取引・決済サービス「BitInstant(ビットインスタント)」を運営していた。日本ではあまり知られていないが、「ビットコインー夢と未来」というドキュメンタリー映画で有名になった。ニューヨークタイムズの有名記者が書いた「デジタル・ゴールド──ビットコイン、その知られざる物語」(日本経済新聞出版社)でも登場しているので、知っている人もいるだろう。ビットコイン界の大物インフルエンサーといっていい。

資金的・技術的なところでKuendeを支援するのがDokia Capital(ドキア・キャピタル)という仮想通貨ファンドだ。目の付け所が「イーサリアム」、「COSMOS(コスモス)」、「ポルカドット(Polkadot)」、「パリティ(Parity)」、「オミセゴー(OmiseGo)」等とクロスチェーンやスケーリングまわりのプロジェクトが多い。KuendeもTindermintを採用するCOSMOS上のプロジェクトなのでお眼鏡にかかったのかもしれない。ちなみにドキア・キャピタルはCOSMOS上のバリデーター(ビットコインやイーサリアムでいうノードと同等)でもあり、Kuendeに対してテンダーミントに関する技術アドバイスを提供しているという。

なぜテンダーミント+COSMOSなのか?

Kuendeはあくまでも一般ユーザー向けアプリだ。気軽にミートアップに参加した際に、ストレスなしで仮想通貨をサクっと受け取れる仕組みを実現しようとしている。その際にトランザクションフィーだとか決済速度云々でユーザーの手を煩わせば、ユーザーはすぐアプリを削除するだろう。

手数料ゼロ+大量のデータをさばきつつ、特定のサービス向けにブロックチェーンの仕様を機敏に改編していくにはどうすればよいか。そこでKuendeチームはマイニングではなく、プルーフオブステーク(仮想通貨所有量証明)を原理としたブロックチェーンの動作が理想的と判断。テンダーミントを使って独自のブロックチェーンを開発し、コスモス上の一種のゾーン(圏)を展開することにしたようだ。複数のブロックチェーンをつなぎ、Kuendeのトークンだけでなくユーザーが他の仮想通貨を使えるようにしていくのも狙いだ。

ちなみにコスモス公式サイト上でも、著名ブロックチェーンプロジェクトであるOmiseGoや0x、さらには米オラクル社に並んでKuendeが並んでいることがここから確認できる。

カネのかかる「付き合い」→仮想通貨もらえるミートアップのほうがいい

Kuendeが今後重要視するのはアジア市場だ。代表によると「現在一切マーケティングをしていない状態で、ユーザーの20%がアジア地区から来ている」(Pavel Antohe氏)。特に日本はアジアでも最重要の地区として今後しっかり取り組りくんでいくという。Kuendeアプリも来年の初頭までには日本語バージョンをリリースする予定だ。

確かに、日本では「付き合い」にかかるコストは馬鹿にならない。飲み会や合コン・街コンに参加するたびに数万円飛んでいくようでは、社交的な人こそ負担だろう。逆にKuendeアプリでイベント等に参加することで仮想通貨を受け取ることができれば、出会いや社交の幅も広がるというものだ。

さらに、現実社会でのゲームを企画して仮想通貨をかませれば、「ポケモンゴー」のリアル店舗版などもできてしまうかもしれない。

そんなKuendeが次のステージに行くために新たな資金調達を開始する。Kuendeと提携するシリン・ラボやバンコールのトークンももらえてしまうユニークなボーナスもあるそうだ。

Kuendeが発行するトークン「KUE」とは?

◆ SNS上で使える一種のユーティリティトークン

◆ 発行上限=35.6億KUE

◆ 1 ETH = 50,000 KUE

◆ 資金調達予定額:約2.2億円~20億円

◆ 調達資金用途:R&D、マーケティング、人件費等

◆ パブリックセール期間:10月19日~11月2日

「コスモス」等のトークンがもられるボーナス特典

◆ 1 ETH買うと50,000 KUEと1 ATOMがもらえる

◆ ATOMはCOSMOSのトークン

◆ 3 ETH以上買うと以下の全てがもらえる

 ◆ 150,000 KUE

 ◆ 3 ATOM

 ◆ 購入額5%相当のKUE

 ◆ 購入額5%相当の提携パートナーのトークン(SRN, BNT, CVC, STX, IPSXの何れか)

これらボーナスについてはこちらのサイトにより詳しい説明があるので興味のある人は見てみよう。

若者よ スマホを捨てよ町にでようーー」。

SNSの未来は仮想通貨+オフラインの世界にあるかもしれない。

(文・コインテレグラフ制作部)

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