セーシェルに登録された仮想通貨取引所クーコインのベンチャー部門であるクーコイン・ベンチャーズは、TON(The Open Network)財団と提携した。TONブロックチェーンプラットフォームへの助成金を提供し、TONエコシステムの成長と拡大を支援する。
12月1日の発表によると、この資金はTONエコシステムのプロジェクト、決済プラットフォームやゲームファイナンス(GameFi)プラットフォーム、研究開発、コミュニティ構築、マーケティング活動、TONブートキャンプのようなインキュベーションイニシアティブを支援する。
TON財団のアクセラレーターヘッドであるイアン・ウィットコップ氏は、クーコインからの助成金が、決済とゲームにおける現実世界のブロックチェーンソリューションを支援し続ける上で役立つと述べた。「クーコイン・ベンチャーズとのパートナーシップは、TON上でのミニアプリ開発の勢いを加速するポイントだ。クーコイン・ベンチャーズの取り組みは、よりアクセスしやすく分散化されたデジタル未来を目指すTONのビジョンと一致している」と語った。
クーコインのマネージングディレクターであるアリシア・カオ氏は、この動きをTONブロックチェーン業界における潜在能力への信頼から来ていると語った。「この戦略的提携は、より緊密な協力を通じて仮想通貨・ブロックチェーン業界のさらなる発展を促進するという我々の使命に沿ったものだ」と彼女は付け加えた。「取引所とブロックチェーン環境との新たな相乗効果を示し、同様のベンチャーをさらに刺激する励みとなることを願っている」とも語った。
クーコインの広報担当者はコインテレグラフに対し、パートナーシップは初期段階にあると話す。「このパートナーシップは始まりに過ぎない。より深い協力とコミュニケーションのためにこのコラボレーションを活用する計画だ。これに向けて必要な準備を進めている」と語った。
TONエコシステムの拡大を支援するだけでなく、クーコインは他のブロックチェーンとの協力を模範として、仮想通貨をニッチな関心事から大衆的な採用へと移行させることを目指している。クーコインベンチャーズのウェブサイトによると、分散型インフラストラクチャPOKT、非代替トークン(NFT)プラットフォームOVO、分散型金融(DeFi)貸出プロトコルSturdyなどに投資している。
3月には、クーコインベンチャーズがステーブルコイン発行者および決済サービスプロバイダーCNHCへの1000万ドルの投資を主導した。当時コインテレグラフへの声明で、クーコインの最高投資責任者兼クーコイン・ベンチャーズを率いるジャスティン・チョウ氏は、CNHCへの投資はベンチャー部門がステーブルコイン関連プロジェクトに投資した初めてのケースだと述べた。
TONは最近、他の仮想通貨関係者とのパートナーシップを積極的に形成している。10月4日には、仮想通貨取引所MEXCの子会社であるMEXCベンチャーズから数千万ドルの投資を受け取り、プラットフォームの成長を支援すると発表した。また11月には、Web3投資会社アニモカ・ブランズを最大のバリデーターとして迎え入れた。発表によると、アニモカは、テレグラムへのブロックチェーンベースのゲームの提供を計画している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン