米銀行大手JPモルガンが開発する独自ステーブルコイン であるJPMコインの商業利用の準備が整った。これを受けて同銀行は、Onyxと呼ばれる新たなブロックチェーン部門を創設して顧客取り込みを目指す。

JPモルガンのホールセール決済のグローバルヘッドであるタキス・ジョーガコポウロス氏が米経済番組CNBCに話したところによると、大手のグローバルハイテク企業はクロスボーダー(国をまたいだ)決済においてすでにJPMコインを使っている。

今回Onyxを立ち上げた理由は、ブロックチェーンを使う解決策が「リアルなビジネス」になる可能性があるからだという。

「我々は商業化の時期にシフトしている(中略)研究と開発からリアルなビジネスへの移行を目指している」

1年半以上かけて商業化

JPモルガンは2019年2月にJPMコインの構想を発表。JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOはビットコインや仮想通貨批判の急先鋒として知られていたが、JPモルガンは独自の仮想通貨構想を発表する初めての米大手銀行となった。

JPMコインは、米ドルに1対1で連動するステーブルコイン。企業間でのクロスボーダー取引の効率化やコスト削減で使われることが見込まれている。

2019年6月時点でJPモルガンの担当者あるウマー・ファルーク氏は、JPMコインはブロックチェーンを使って債券を「一瞬」で顧客に届けられると話していた。当時は米国、欧州、日本の顧客からJPMコインに対する需要が高まっているとし、2019年末までにJPMコインを試験的に立ち上げる方針を示していた。


翻訳・編集 コインテレグラフジャパン