米国進出を発表した直後だった。仮想通貨取引所バイナンスは利用規約を更新し、米国からの個人、法人の顧客のサービス提供を中止すると発表した。仮想通貨トレーダーのアレックス・クルーガー氏は、今年市場を牽引してきたバイナンスコイン(BNB)が下がる可能性もあるという指摘。アルトコインに再び冬の時代が到来する一方、ビットコインにはポジティブな地合になるとみている。

(出典:Coin360

バイナンスは利用規約に「バイナンスはいかなるサービスも米国民に提供しない」と新たに記載。理由として、セキュリティ向上や世界的なコンプライアンス遵守の流れにに対応したものと解説している。

この発表を受ける形でBNBは、執筆時点(6月14日18時15分)までの24時間で8%以上も急落。一方、ビットコイン(BTC)は2%近くのプラスを維持している。

BNBは、ローンチパッドを使ったトークン販売が好調であることや分散型取引所(DEX)の立ち上げもあり、年初来から450%ほども上昇。ビットコイン(BTC)の約110%上昇をはるかに上回っており、仮想通貨相場の牽引役だった。

(出典:CoinMarketCap「BNB /米ドル(年初来)」)

バイナンスのジャオ・チャンポン(通称CZ)CEOは、「短期での痛みは長期的な利益のために必要かもしれない」発言している

仮想通貨トレーダーのアレックス・クルーガー氏は、バイナンスにとって米国からの訪問者が一番多かったことに触れて、アルトコイン冬の時代が来ていると指摘。一方でビットコインや他の主要仮想通貨にとってはポジティブだと話した。

またクルーガー氏は、今後の展開を予想。バイナンスは、Binance.comの米国人ユーザーをバイナンスUSに移すかもしれないと指摘。ただもしバイナンスUSでBNBの取引ができなければ、BNBへの需要は下がるだろうと予想した