仮想通貨取引所大手バイナンスは、分散型取引所(DEX)を開始したと発表した。同社が4月23日にコインテレグラフに共有したプレスリリースで述べた。

バイナンスは先週、独自ブロックチェーン「バイナンスチェーン」のメインネットを公開し、バイナンスコイン(BNB)のスワップ(交換)を実行するとしていた。

DEXとは、ブロックチェーンのスマートコントラクト機能を使用してピアツーピア取引を可能にすることで、ユーザーの取引マッチングや資産の清算を自動化する取引所の形態。これによりユーザーは資金を自身の管理下に置くことが可能となる。大手取引所ではOKExやBithumb(ビッサム)などもDEXに注目していると言われる。

バイナンスDEXでの取引は近日中に利用できるようになるが、バイナンスの公式トラストウォレットやサードパーティのウォレットなどの設定がすでに可能だ。ウォレットを設定することで、バイナンス・チェーンエクスプローラーや公開データノード、APIなどのツールにアクセスすることができる。

バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、同トークンコミュニティに対し、バイナンスメインネットで新しいトークンへの参加と開発を呼びかけ、プロジェクトや開発者チームと緊密に連携してエコシステムを構築していきたいと述べた。またDEXの可能性について以下のように述べている。

「DEXは信頼性と透明性の高い金融システムを提供し、新たな希望と可能性をもたらすはずだ。(中略)資金の中央集権的な保護なしに(中略)私たちのコミュニティに新たなレベルの自由をもたらす」

取引所トークンであるバイナンスコイン(BNB)は、以前のイーサリアム互換のERC-20規格からバイナンスチェーンBEP-2規格に移行した。BNBはネットワークトランザクションを実行するためにブロックチェーンのネイティブ資産として使用される。

バイナンスDEXは2ヶ月のテストネット期間を経てローンチされた。テストネット期間には取引環境のシミュレーション、コーディングコンペ、バグバウンティプログラムなどで850万件の取引が行われたという。

世界の仮想通貨取引所400以上を対象とした調査によると、2019年1月時点でDEXはわずか19%で、取引量は既存の仮想通貨取引所の1%未満だった。

コインマーケットキャップによると、バイナンスでは調整後の取引量において執筆時点(4月24日10時)の直近24時間で約12億ドル(約1340億円)の取引が行われている。またバイナンスコインは時価総額で7番目にランクされている。

翻訳 ロシアンOLちゃん
14歳の時に来日してから日本が好きになり、日本語の勉強を始める。大学卒業後、商社、PEファンドなどを経て、現在ではブロックチェーン産業に携わり、SNSでロシアや欧州のブロックチェーン、クリプト情報を発信している。

編集 コインテレグラフ日本版
原文 Binance DEX Launches on Native Mainnet Earlier Than Planned, Invites Community Input