米国で初めてセキュリティトークンによるIPOを実施している仮想通貨(暗号資産)企業INXが、カストディを決定した。

17日の発表によると、INXはまもなく開始予定の仮想通貨取引所のカストディとして、イスラエルの仮想通貨スタートアップのGK8を起用した

INXのツイートによると、GK8のエンドトゥーエンドのプラットフォームを使用するという。このプラットフォームにはGK8が特許を取得した「エアギャップ・ボールト」によって、完全にオフラインの状態でブロックチェーン取引の作成や署名、送信が可能だ。

ジブラルタルを拠点とするINXは個人投資家と機関投資家の双方を対象として、セキュリティトークンによるIPOで1億1700万ドルの資金調達を計画している。

9月10日に750万ドルを調達後、INXは14日にビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)、USDコイン(USDC)などの受け入れを開始。今回の調達資金を使い、現金の積立基金だけでなく、マルチサービスのデジタル資産プラットフォームを立ち上げる意向だ。

GK8は、以前にイスラエルの機密サイバー部隊で勤務していたサイバーセキュリティの専門家であるリオル・ラメシュ(Lior Lamesh)氏とシャハル・シャマイ(Shahar Shamai)氏が2018年に設立した。世界の銀行や取引所、カストディアン向けに10億ドル以上のデジタル資産を管理していると言われている。 ラメシュ氏がコインテレグラフに明らかにしたところによると、仮想通貨取引プラットフォームを手がけるイートロ(eToro)が、2019年に同社の最初の顧客になったという。

GK8は、仮想通貨ウォレット業界に対して挑戦的なスタンスで知られている。同社は、インターネットに接続せずに仮想通貨を保管・取引できると主張しており、7月には「ブロックチェーン取引を実行するためにインターネット接続が必要な場合、本当の意味でコールドウォレットというものはないだろう "という記事を執筆している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン