欧州の仮想通貨投資会社コインシェアーズは5月2日、「デジタルアセットファンドフローウィークリーレポート」を公表した。レポートによると2週連続で仮想通貨市場に弱気な空気が漂っており、合計7200万ドルの資金が流出した。この背景には、今週、米国連邦準備制度理事会による利上げが懸念されることが影響しているとのことだ。

Weekly crypto asset flows. Source: CoinShares

レポートによると、仮想通貨市場のファンドは全地域、全プロバイダーで資金流出が見られ、特にドイツとカナダが顕著で、それぞれ4000万ドル、1400万ドルの資金流出があった。

ビットコインは4600万ドルと資金流出が最も多く、ショートビットコインも780万ドルの資金流出があり、2022年12月以降で最高の額となった。しかし、ショートビットコインは年間の資金流入額で依然としてトップであり、純資金流入額が1億1900万ドルとなっている。一方、イーサリアム製品は1900万ドルの資金流出があり、2022年9月のマージ以降で最大の週間資金流出額となった。

一部のアルトコインファンドはわずかな資金流入があった。ソラナ、アルゴランド、ポリゴンはそれぞれ100万ドル未満の資金流入があった。

ブロックチェーン関連株もネガティブな展開となり、先週250万ドルの資金流出があった。ただし、年初からの累計資金流れはプラスであり、2700万ドルとなっている。

レポートの筆者であるジェームズ・バターフィル氏は、「仮想通貨市場全体の取引量は低迷しており(年平均の50%減)、一方でETP(上場投資信託)投資商品の取引量は週17億ドルで年平均の16%上回っている」と明らかにした。

先週にビットコインの価格変動が大きく、総額3億4000万ドル相当のレバレッジ付きBTC先物契約が清算されるなど、動きが活発化している。しかし、今年のビットコイン価格は72%上昇しており、S&P 500指数の9%の利益を上回るパフォーマンスを示している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン