ニューヨーク証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)が、仮想通貨「冬の時代」を利用し自社が手がけるバックトのために仮想通貨を割安で購入していた。ロイター通信が2日に報じた。
ICEのジェフリー・スプレッチャーCEOは、「仮想通貨業界がいわゆる冬の時代になって本当に助かった」と発言。2018年は弱気相場で、ビットコインは80%ほど下落した。
現物受け渡しのビットコイン先物取引を計画するバックトに対する市場関係者の期待は大きい。バックトのビットコイン先物は「機関投資家を呼び込む上でビットコインETFより大きなニュース」という見方も出ている。当初バックトは「今年の早い時期」にビットコイン先物取引の開始日を発表するとしていたものの、これを事実上の延期。弱気相場による影響と見られていた。
またスプレッチャーCEOは、マーケットが加熱していいからこそ、買収などを通して人材獲得もしやすい状況だったと指摘した。
「我々は複数の企業をチェックしており、実際に今週、1つの企業を買収した。もしマーケットが本当に加熱していたら、我々にとって入手不可能だったものだよ」
バックトは先月29日、仮想通貨のカストディ(資産管理)企業を買収した。カストディとは、投資家のために証券を保護するほか、元利金・配当金の代理受領、運用資産の受渡し決済、運用成績の管理などを提供するサービス。ビットコイン先物取引の開始を目指すバックトは、仮想通貨の保管方法をめぐってCFTC(米商品先物取引委員会)が難色を示していると報じられていた。
翻訳・編集 コインテレグラフ日本版