インドの仮想通貨コミュニティは、インド最大の携帯電話事業者へのフェイスブックによる57億ドル(約61億円)の出資をポジティブなサインだと読み取っている。

4月22日。フェイスブックが、インドのジオ・プラットフォームズに9.9%の出資を行うことが明らかになった。ジオ社は、インドの億万長者であるムケシュ・アンバニ氏がトップを務めるコングロマリット「リライアンス・インダストリーズ」のデジタルテクノロジーを担う企業だ。

フェイスブックはこの投資によって、ジオ社の3億8800万人のユーザーにアクセスできるようになると期待されている。

アンバニ氏は昨年8月、インドでブロックチェーンネットワークを展開する計画を発表。「今後12ヶ月でジオは、インド全土で数万ノードが稼働する世界最大のブロックチェーンネットワークの1つを作り上げる」と語っていた。

今回のフェイスブックによるジオ社への出資について、インドの大手仮想通貨取引所ワジールXの創業者兼CEOのニスチャル・シェティーCEOは、次のような期待を表明している

「インドでポピュラーなテクノロジーとして仮想通貨が台頭しているという明確なサインだ。フェイスブックがジオに57億ドルの投資をしたことは、インドの仮想通貨エコシステムにとって素晴らしいニュースだ。FBはリブラを持っている。ジオはブロックチェーン技術に取り組んできた。リブラはインドで現実になるかもしれない」

ジオ社は携帯電話事業だけでなく、eコマースプラットフォーム「ジオ・マート」も運営している。

今回の投資について、アナリストの中からはフェイスブックがジオの3億8800万人のネットワークにアクセスできることで、新しいアプリをテストする場所になるかもしれないとの見方も出ている

インドでは今年3月に最高裁が中央銀行の仮想通貨禁止令を違憲とする判断を下した。これを受け、インドの仮想通貨取引所ではサービス再開などの動きが活発化し、仮想通貨のメインストリーム化に期待感が出ている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン