インドの仮想通貨取引所が、外国の仮想通貨取引所から資産を移行したい利用者に対し、手間をかけずに資産を移行できると約束している。
インド財務省の金融情報局(FIU)が、バイナンスやOKXなど海外の仮想通貨取引所へのアクセスをブロックした。インドの複数の仮想通貨取引所は、禁止された外国の仮想通貨取引所に資金を残している利用者向けに、手数料免除の魅力的な提案をしている。
取引高でインド最大級の仮想通貨取引所であるコインDCXは、利用者が資産をコインDCXに移行するのを支援するために100万ドルを確保したと発表した。
インド人投資家による海外取引所での仮想通貨への投資は約40億ドルと推定されている。最近の規制の進展に伴い、海外取引所で取引していたユーザーは自分の資産の行方を懸念している。彼らは仮想通貨への投資を続けるために、安全でコンプライアンスに準拠した取引所に移動したいと考えている。
コインDCXのスミット・グプタCEOはコインテレグラフに次のように語っている:
「私たちは、規制非準拠の事業体に対する通知の発行後、最初の1週間で新規流入が2000%急増するという驚くべき事態を目の当たりにした。仮想通貨コミュニティ内の信頼を強化するため、コインDCXは、非準拠の海外取引所からコインDCXプラットフォームへの資産移転を支援する100万ドルの資金を割り当てた。コインDCXは、1%のボーナスを伴うシームレスな仮想通貨入金を通じてユーザーを積極的に支援しており、スムーズな移行のために安全な入金ルートを開設している」
別のインドの仮想通貨取引所であるバイユーコイン(BuyUcoin)も、FIUの禁止措置を受けて、海外取引所からの手数料無料の移行を発表した。バイユーコインのシヴァム・タクラルCEOはコインテレグラフに対し、FIUの動きは投資家保護と外国為替事業体に対するキャピタルフライト規則と規制の施行に向けた正しい一歩だと考えていると語った。
もう1つの大手取引所であるワジールX(WazirX)は、同社に仮想通貨を送金するユーザーに1%のボーナスを提供すると発表した。その結果、11月から1月までのP2P取引量は42.3%増加、スポット取引量は253%増加、入金額は過去3カ月と比べ114%増加したという。ワジールXのラジャゴパール・メノン副社長はコインテレグラフに対し、FIUによる最近の措置は長い間待ち望まれていたものだと語った。
「私は、それはずっと以前から待ち望まれていたことだと思う。海外取引所は、規制と税制のアービトラージにより、インドの取引所を犠牲にして大儲けしていた。誰にとっても悪い状況だった:インドのユーザーには救済手段がなく、政府は税収を失い、インドの取引所は市場シェアを失った」
FIUは2023年12月28日に、インドで違法に運営しているとしてバイナンス、フォビ、クラーケン、Gate.io、クーコイン、ビットスタンプ、MEXCグローバル、ビットレックス、ビットフィネックスに対して、インドで違法に営業しているとの通知を出した。FIUは、規制を遵守しない場合、インド国兄でウェブサイトへのアクセスをブロックするとした。
FIUの通知から約2週間後の1月10日、インドのアップルのAppストアはこれらの海外取引所をブロックした。その数日後にはグーグルのプレイストアも海外取引所をブロックし、インドの利用者の間にパニックが広がった。インドの仮想通貨ユーザーは30%の仮想通貨税を避けるためにバイナンスなどの海外仮想通貨取引所に群がっていた。
多くのインドの仮想通貨インフルエンサーが、VPNを通じて禁止されたプラットフォームにアクセスする代替方法について議論している。しかし、バイユーコインはそれに反対し、インドの利用者が新しいURLを利用することで、フィッシングサイトやその他のオンライン詐欺によって仮想通貨資産や金銭を失う可能性があるという「重大な悪影響」が生じると警告している。
OKXはインドの利用者に個人情報のアップデートを求め始めており、インドでの規制遵守に向けた動きを示している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン