仮想通貨を巡る国際的な法的状況が変化し続ける中、欧州の仮想通貨取引所が、改めて適切な規制の整備を訴えた。ブルームバーグが7日に伝えた

 英国の取引所イートロとオーストリアのビットパンダはブルームバーグに対し、不適切な反マネーロンダリング(資金洗浄)規制や本人確認(KYC)規制では、自分たちの企業としての立ち位置を知ることができないだろうと、懸念を表明した。

「規制は歓迎する。自分たちの立ち位置を知ることができるからだ」

と、ビットパンダのエリック・デムースCEOはブルームバーグに語った。今年に入り、仮想通貨に対し迅速な要件強化の動きを見せる韓国のような国がある一方で、その他の国は引き続き対応に苦慮している。

 先月、インドの中央銀行は金融機関に対し、仮想通貨関連企業との取引を7月までに完全に止めるよう通知した。これに対し、企業2社が5月に訴訟を提起する計画だ。

 欧州中央銀行を含むEUの規制当局は、規則の標準化を進める国際的な努力をこれまで支援してきた。しかし逆の意見として、緊急の対策をとるには、業界が小さすぎると指摘する関係者も存在する。

 2月には欧州中央銀行の監督委員会のダニエル・ヌイ委員長が、仮想通貨規制は「やるべきことリストの中でそれほど高い順位にはない」と、主流の報道機関に語っている

 イートロのマネージングディレクター、イクバル・ガンダム氏は「規制のメリットは明白だ」と述べている。

「適切な規制の枠組みは、顧客の保護だけではなく、業界自体の継続性と合法性の確保にも役立つだろう」

 ガンダム氏は、英国の業界団体「クリプトUK」の会長も務める。クリプトUKは、ロビー活動を通して仮想通貨取引業界の透明性を高めることを目的としている。