欧州中央銀行(ECB)は7日、仮想通貨の規制は「対応すべき課題の優先順位の上位に無い」として、仮想通貨への態度を軟化させた。米CNBCの取材で述べた。
ECB銀行監督委員会のダニエル・ヌイ委員長は、将来的に欧州で仮想通貨を規制する新しい動きが起こる可能性については分からないとしながらも、ECBが監督する欧州各国の銀行がそうした規制を行う可能性は「非常に低い」という見解を示した。
「仮想通貨を規制という観点から精査し必要であれば対策を講じる手はずは整っているが、現時点ではその優先順位は低い」とヌイ委員長は取材に対し語った。
今回の発言に先立つ5日、ECBのマリオ・ドラギ総裁はストラスブールの欧州議会で「ECB監督下にある機関が、金融システムに影響を与えるような規模の仮想通貨を保有している様子はない。<中略>実際のところ、ビットコインのような仮想通貨への金融機関の関心は限定的だ」と発言している。
一方、フランスのブリューノ・ル・メール経済・財務大臣が仮想通貨規制のための国際的連携を呼び掛けるなど規制強化を求める声も強いが、EU中枢の官僚たちは自分たちが直接介入することには消極的なようだ。
ECBも含めた多くの情報筋によれば、仮想通貨の規制が来月アルゼンチンで開かれるG20の重要なテーマとなる。