仮想通貨相場は昨日の急落から一転し、ほぼすべての銘柄で反発する動きが出ている。一時8500ドル台まで下落したビットコイン(BTC)は足元では8800ドル台で取引されている状況だ。
主要なアルトコインも反発しており、イーサ(ETH)は6%超の上昇、XRPは5%の上昇となっている。
アルトコインの中には10%超の上昇を見せているものもあり、NEM(XEM)は約10%上昇、チェインリンク(LINK)は約12%の上昇となっている。
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ビットコインは依然として強気
仮想通貨トレーダー・アナリストのThe Moonは、ビットコイン相場は依然として強気であり、最近の下落はあくまで調整局面であると主張している。
The Moonは20週間移動平均線(下図の紫線)に注目。過去2年間のビットコインの値動きを見る上で比重に重要な指標だと述べている。足元ではBTCは20週間MAを上抜けて推移しており、ビットコインは依然として強気であるとみている。
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また米モバイル決済企業スクエアは26日に発表した決算にも注目。スクエアは2019年第4四半期のビットコインの売上高が前年同期比で240%増だったことを明らかにしている。
The Moonはビットコインソリューションが普及し、BTCが大衆で広まっていることを示すものであるとし、ファンダメンタル的に強気の材料とみている。
ただCME(シカゴマーカンタイル取引所)のビットコイン先物市場でのギャップ(隙間)である8520ドルを埋めていない状況であることに留意する必要があるとも付け加えている。
最近のビットコイン急落では、CMEのギャップを埋める動きとなるのではないかとの見方も出ていた。
ビットコインは「他の資産と無相関」
米国の株式市場ではダウ平均株価が1190ドル急落し、過去最大の下げ幅となった。日経平均株価も28日、700円以上の下落を記録している。
だが仮想通貨相場は今回の株価急落の影響を受けていないようだ。
最近の新型コロナウィルスを巡る株価急落を受け、ビットコインなどの仮想通貨も急落。金のような「安全資産」とのストーリーに陰りが見え始めていた。ピーター・シフ氏のようなビットコイン批判派は、「デジタルゴールド」というストーリーに疑問を呈していた。
ここ最近で仮想通貨コミュニティの中では、「ビットコインは他の資産とは相関がない」とのストーリーが出始めている。
仮想通貨トレーダーのルーク・マーティン氏もその一人だ。マーティン氏は次のようにツイートしている。
「株が下がっても、これはビットコインが上昇しなければならないという意味ではない。金価格が上昇した場合、ビットコインが毎回それに伴って上昇することを意味するものではない。負でも正でもない、無相関だ」
宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティック会長でベンチャーキャピタリストのチャマス・パリハピティヤ氏も、米経済番組CNBCで同様の主張をしている。
パリハピティヤ氏はビットコインは「素晴らしいヘッジ手段」であると主張するが、それはBTCが「世界の他の資産とは全く相関がないからだ」と語っている。
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