米マーケット調査会社ファンドストラットのトム・リー氏は、先週にトルコのイスタンブールで開催されたカンファレンスで、2020年にビットコインに強気になるべき5つの理由を挙げた。

ビットコインが急落する前の先週、リー氏は「ブロックチェーン経済2020」で、ブロックチェーンが金融業界に大きな混乱をもたらすだろうと指摘。「今後20年間で最も重要な世紀のトレードとは金融業界の破壊であり、ブロックチェーン技術と仮想通貨が鍵を握っている」と述べた。

その上で、今年はビットコインにとって良い年になるだろうと予想。「強気相場のスタートも証明されている」とし、「ビットコインは2019年に最もパフォーマンスが良かった資産であり、過去25年間でも最も良かったS&P500のリターンも上回った」と指摘した。

リー氏によると、2020年にビットコインが上昇する理由は、「米国の大統領選挙」、「ビットコイン半減期」、「米イラン関係」、「200日移動平均線」、「新型コロナウイルス 」だ。

米国大統領選

ビットコインに対する政治的な圧力が米国でかなり小さくなる。米政府が昨年のビットコイン上昇相場を本質的に殺したが、今年の大統領選で米政府の焦点は逸れたため、仮想通貨にとって好材料。

昨年夏、トランプ大統領はビットコインのファンではないと発言。ムニューシン財務長官は、マネーロンダリング(資金洗浄)などの問題を指摘し、「国家安全保障上の問題」と位置付けた。

ビットコインの半減期

5月に新規のビットコイン供給量が半減する半減期が推定されている。リー氏は半減期が最も重要な要素と指摘し、「議論があるのは知っているが、人々が半減期がビットコインに影響を与えるのかを考えることで、価格には影響が出ると思う」と述べた。

また、2020年のビットコインへの需要は去年より高くなるだろうと予想。需給の引き締まりによって、ビットコインのネットワーク価値は1000億ドル(約11兆円)近く増えるだろうと分析した。

「ビットコイン価格は1万ドル付近だ。もし半減期が以前の半減期と同じように機能すれば、ビットコインが今年最高値を回復するという見方もできる」

「米イラン関係」

2020年は、米国とイランの関係悪化で始まった。リー氏は、2020年全体を通しても両国の小競り合いはビットコイン価格に影響があるだろうと指摘。地政学的リスクはビットコインのような安全資産への需要を高めるだろうと述べた。

200日移動平均線

1月、ビットコインは200日移動平均線を回復した。リー氏は「200日移動平均線を超えている限り、強気相場と考えられる」とし、とりわけビットコインは2012年のような動きになれば3万ドルもありえると強気予想をした。

新型コロナウイルス 

リー氏は、「コロナウイルスのような世界的な流行リスクはビットコインや他の安全資産への需要を高めている」とみている。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン