未だに正体不明のサトシ・ナカモトがビットコインのホワイトペーパーを書いてから10月31日で11年になった。
去年は10歳の誕生日ということで米国のメディアや専門家を中心にホワイトペーパー公表日が大きく取り上げられた。10歳の誕生日でビットコインが上昇するというご祝儀相場を期待した人もいた。今年は、現在のところ、落ち着いている。
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「冬の時代」→「春の高騰」→「夏枯れ」→「こう着の秋」…また「冬の時代」?
過去1年間、ニュースでビットコインが動くことが意識された1年と言えよう。
10歳の誕生日直後の去年11月、6500ドルでこう着状態が続いていたビットコインが急落。12月には3800ドル付近まで下落し、長い「冬の時代」へと突入した。
この状況は4月に変化する。様々な要因は指摘されているが、「米中貿易戦争の激化によって安全資産としてビットコインへの需要が高まった」というフレーズを市場関係者が意識するようになった。
6月にはビットコインは一時1万4000ドル付近まで上昇したが、その後8000ドル~1万ドルでこう着状態が続いた。取引高が少なくなり、ボラティリティも激減し、いわゆる「夏枯れ」が続いた。
こう着状態が崩れたのは10月。グーグルが”量子超越”を正式に発表し、一時7300ドル付近まで暴落した。市場では5500ドルまで下がるといった声も聞かれ始め、「冬の時代」が再び到来するのかといった諦めの空気が漂った。
そこに現れたのが、新たな「仮想通貨の父」こと中国の習近平国家主席だ。習主席がブロックチェーンをイノベーションの中核技術に据えると発言したことで、業界の暗いムードが一変。一気に1万ドルを突破した。
果たして今年も「冬の時代」に突入するのか?もしくは2017年のような年末にかけての上昇がみられるのか?それても、全く違うシナリオが用意されているのか?現時点では、弱気派より強気派の方が若干多いといった感じだろうか。
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来年のビッグイベントといえば、ビットコインの半減期だろう。需給の関係から、上げ材料とみるアナリストは多い。また足元ではライトニングネットワークなどの開発も進んでおり、決済手段としてもビットコインが普及し始めるのか注目だ。