FX決済サービスのCLSは、IBMと開発しているブロックチェーンを使った銀行向けペイメント・ネッティング・サービスのテストの最終局面にきているようだ。フィナンシャル・ニュースが27日に伝えた。
同サービスは銀行のITシステムに導入され、世界のFX市場の規格化レベルを向上、処理コストを下げることが期待されている。ローンチは今夏を予定している。まずは7行以上の銀行がこのシステムを使用する見込みだ。
FXマーケットは、FX機関が手動で処理を完了させる傾向にあり、規格化が遅れていると言われている。これにより、ネッティングへのアプローチは不統一で、コストが高いとフィナンシャル・タイムズは指摘している。
CLSは、メンバー向けに2つの接続オプションを提供する計画だ。1つは、自社でノードを保有してDLT (分散型台帳技術)でデータを連携する方法。2つめは、 CLSが管理するサーバに国際銀行間通信協会(SWIFT)のネットワーク経由でアクセスする方法だ。CLSの広報担当は、初期の段階では顧客はSWIFTをより頼るだろうと説明したが、サービスが成長し、顧客の導入が増え、DLTが成熟するにつれ、前者が増えるとの見方を示した。
戦略開発チーフのアラン・マーカード氏は、ブロックチェーンを通じた決済やセキュリティの担保が十分に検証されていないためという理由により、当初参加予定だった複数の大手銀行が手を引いたことを示唆した。ブロックチェーンと直接繋がることに警戒を示したためだ。
同氏は、データベースが十分にプライバシーを保護した状態を保つため、銀行は運営のノウハウを構築する前に単にソフトウェアをインストールことはできないと説明した。CLSグループが決済サービスを提供している先には、ゴールドマンサックスやJPモルガン、シティグループなどがある。今年5月下旬、同社は500万ドル(約5億6000万円)をブロックチェーン・コンソーシアムのR3に投資している。