デラウェア州連邦破産裁判所のジョン・ドーシー判事は、FTXの独立審査官を任命する申し立てを却下した。

2月15日の公聴会で、ドーシー判事は、FTXの破産事件で、当事者の一部が資金喪失で債務基準を満たしたにもかかわらず、審査官を任命するかどうか、法律上ある程度の裁量権があると述べた。同判事によると、審査官を任命することは、FTXの債務者と債権者にとって「不必要な負担」であり、追加費用がかかることを理由に挙げている。

「審査官が任命された場合、管財人がヒアリングで提案した範囲を考慮すると、審査費用は数千万ドル、おそらく1億ドルを超えることは間違いない」とドーシー判事は指摘。「この極めて特殊なケースの事実と状況を考慮すれば、審査官の任命が債権者にとって最善の利益とはならないことは間違いない。」とした。

また、ジョン・レイCEOが「悲惨な財務状況」にある他社を買収した経験や、以前の経営陣(サム・バンクマン=フリード前CEOを含む何人かは連邦裁判所で起訴されている)を解任した後、FTXを危うくしているサイロ的状況を監督するために4人の取締役を任命したことも挙げられた。ドーシー判事は、レイCEOが「以前の経営陣や、彼が指名された会社から完全に独立している」と判断した。

ドーシー判事の判決は、米国管財人であるアンドリュー・バラ氏が12月1日に申し立てたもので、バラ氏は、審査官が「疑いなく債務者の債権者の利益になる」と主張した。また、FTXのユーザー資金の不正使用を隠すためにソフトウェアが使われたとされる点や、同社で適切な記録管理が行われていなかった点については、独立した調査によって探ることができるとした。