2022年に破綻した米仮想通貨取引所FTXとその関連会社アラメダリサーチ(Alameda Research)が保有する仮想通貨ウォレットが動き出した。

11月1日、約20億円相当のアルトコイン(ビットコイン、イーサリアム等主要仮想通貨以外のコイン)が複数の仮想通貨取引所に向けて送金されたのだ。

FTXとAlameda関連の仮想通貨がコインベースに入金された。出典 SOC

オンチェーン分析会社スポットオンチェーンによると、まずFTXのウォレットからコインベース(Coinbase)に812万ドル相当のアルトコインが送られた。これにはGRTが4650万枚(485万ドル)、RNDRが97万2073枚(230万ドル)、MKRが708.1枚(96万7000ドル)が含まれる。

その3時間後、FTXとアラメダリサーチのウォレットアドレスから、バイナンスとコインベースに549万ドルが送られた。この取引で最も価値が高かったのは、DYDXが114万枚(264万ドル)、AXSが19万2888枚(105万ドル)、AAVEが5858枚(52万2000ドル)だ。

ちなみに今から一週間前にはすでに同ウォレットから大金の動きが観察されていた。

例えば10月31日にはFTXに関連するウォレットから、5600万ドル(約85億円)相当のソラナ(SOL)160万枚が未知のウォレットに送られている。

スポットオンチェーンが集計したデータによれば、過去一週間でFTXとアラメダのウォレットから仮想通貨取引所に送られた資産は総額7800万ドル(約120億円)に上る。

Total crypto assets sent to exchanges by FTX. Source: SOC

実はFTX関連のウォレットは過去一ヶ月間にわたりそのアルトコインの在庫を仮想通貨取引所に送り続けている。

おそらくこれは、FTXが保有する総額30億ドル(約4500億円)以上のデジタル資産を毎週一定の枚数にわけて売ることが裁判所によって許可されているからだ。

FTXは最初に週あたり5000万ドル相当の資産を売却することができるという。翌週には上限を1億ドルまで引き上げることができる。この上限は、債権者委員会等の事前の書面による同意と裁判所の承認を得た後、週あたり2億ドル(約300億円)まで引き上げることができる。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン