ビットコイン(BTC)はこの1週間、下降トレンドからの脱却を試みており、6月16日の最初の試みは22,600ドルのレジスタンスを突破することができなかった。6月21日の21,400ドルでの2回目の試みは、その後8%の価格調整になってしまった。ブレイクアウトに2度失敗した後、BTC価格は現在20,000ドル付近で取引されており、17,600ドルが本当に底値だったのかどうか疑問が持たれている。

Bitcoin/USD 4-hour chart at Coinbase. Source: TradingView

BTCがこの弱気パターンから抜け出すのに時間がかかればかかるほど、レジスタンスラインは強くなり、トレーダーはそのトレンドを注視している。そして、今週末に迎える22億5000万ドル分の月間オプションの有効期限中に、強気派が力を発揮することが重要となるだあろう。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が仮想通貨の規制強化の必要性について表明するなど、規制の不確実性が仮想通貨市場に重くのしかっている。

ビットコインマイナーが保有するBTCの清算を余儀なくされていることは、BTC価格にさらなるマイナス圧力を与えている。アーケイン・リサーチのデータによると、上場しているビットコインマイニング企業は、5月にはBTC生産の100%を売却している(過去の月では通常20%から40%だった)。マイニング事業者は合計80万BTCを保有しており、これらが売りに出される可能性が懸念されている。ビットコイン価格の調整により、マイニング事業者の収益性が低下し、生産コストが利幅を上回ることもあったためだ。

6月24日に迎えるオプション期限は、ビットコインの弱気派がBTCを20,000ドル以下に抑えることで6億2000万ドルの利益を得ることができるため、投資家にとって特に警戒すべき日となる。

強気派は4万ドル以上に賭け

6月24日のオプション満期の建玉は22億5000万ドルだが、強気派が過度に楽観的だったため、実際の数字はもっと低くなるだろう。オプション満期に対する強気派の賭けは60,000ドルを超えて広がっており、強気派のトレーダーはBTCが6月12日に28,000ドルを割り込んだことで完全に的外れとなってしまった。

Bitcoin options aggregate open interest for June 24. Source: CoinGlass

コール・プット比率は1.70となっており、8億3000万ドルのプット(売り)に対して14億1000万ドルのコール(買い)が優勢であることを示している。しかしビットコインが20,000ドル以下で推移してしまえば、ほとんどの強気派の賭けは無価値になる可能性が高い。

6月24日午前8時(UTC)にビットコイン価格が21,000ドルを下回ったままであれば、このコールオプションは2%しか利用できないことになる。つまり、21,000ドルでビットコインを購入する権利は、満期にBTCがそのレベル以下で取引された場合、価値がなくなるためだ。

予想される3つのシナリオ

以下は、現在の値動きから最も可能性の高いと思われる3つのシナリオだ。6月24日にコール(強気派)とプット(弱気派)で利用可能なビットコインオプション契約数は、有効期限価格によって異なる。それぞれの側に有利なアンバランスが理論的な利益を構成することになる。

  • 18,000ドルから20,000ドルの間:コール500枚対プット33,100枚。プット(弱気派)が6億2千万ドル有利になる。
  • 20,000ドルから22,000ドルの間:コール2,800枚対プット27,00枚。弱気派が5億2千万ドルの有利となる。
  • .22,000ドルから24,000ドルの間:コール5,900枚対プット26,600枚。プット(弱気派)が4億8000万ドル有利になる。

この大まかな見積もりは、プット・オプションが弱気な取引に使われ、コール・オプションが中立から強気な取引に限定されていることを考慮したものである。この単純化は、より複雑な投資戦略を無視することになる点には留意する必要がある。

2万ドルを下抜ける可能性も

ビットコインの弱気派は、6億2000万ドルの利益を確保するために、6月24日に価格を20,000ドル以下に押し下げる必要がある。一方、強気派の最良のシナリオは、2万2000ドル以上の押し上げることだ。

ビットコインの強気派は、6月12日と13日に5億ドルのレバレッジのかかったロングポジションを清算しており、価格を上昇させるために必要な証拠金が少ないはずだ。このデータを考慮すると、弱気派は6月24日のオプション期限を前にBTCを22,000ドル以下に固定する確率は高くなるだろう。

ここに表示された見解および意見は、著者のものであり、必ずしもコインテレグラフの見解を反映するものではありません。すべての投資とトレーディングにはリスクが伴うため、意思決定の際に独自の調査を実施する必要があります。