2011年までGoogleの最高経営責任者(CEO)であり、後にアルファベットのエグゼクティブチェアを務めたエリック・シュミット氏が、オラクルソリューションプロバイダーであるチェインリンクラボに戦略アドバイザーとして参加したことがわかった。

チェインリンクの発表によると、スマートコントラクトにおけるオラクルの利用に関する同社のスケーリング戦略をシュミット氏が指導するという。オラクルはブロックチェーン外のデータなどをブロックチェーン内に取り込む技術だ。チェインリンクの共同創業者であるセルゲイ・ナザロフ氏は、元Googleの幹部であるシュミット氏を迎え入れることを決めた理由として、シュミット氏が持つ「次世代イノベーションのためのグローバルソフトウェアプラットフォームの構築」という経験を挙げた。

シュミット氏は、「ブロックチェーンとスマートコントラクトの登場は、新しいビジネスモデルの構築に多大な可能性を示したが、ブロックチェーンの最大の利点のひとつである、外の世界とのつながりがないことが、最大の課題であることも明らかになった」と述べた。

シュミット氏は、Googleおよびアルファベットでの勤務に加え、国防総省のイノベーション委員会の委員長、国家安全保障の人工知能委員会の委員長を務め、Appleやプリンストン大学、カーネギーメロン大学、メイヨークリニックの役員を務めた。シュミット氏の純資産はおよそ236億ドルと推定されており、仮想通貨企業の顧問を務める最も裕福な人物の一人となる可能性が高い。

チェインリンクは今年初め、プラットフォームのオラクルを使用して、「ユーザーがメタバース全体で使用されているさまざまなチェーン間でデジタル資産を移動したり、スマートコントラクトを実行したりすることを可能にする 「クロスチェーン・インターオペラビリティ・プロトコル(CCIP)」を発表した。同社によると、ブロックチェーン上に構築されたスマートコントラクトやアプリケーションには、現在800億ドル以上の価値が閉じ込められているという。