主要アルトコインである仮想通貨イーサ(ETH)とXRPの勢いが止まらない。

執筆時点までの24時間でそれぞれ4%以上、約3%の上昇。約1%プラスと伸び悩むビットコインとは対照的に好調な推移を維持している。

(出典:COIN360 日本時間2月15日11時15分時点)

仮想通貨イーサ急騰、5つの理由

どこまでイーサは伸びていくのか。

つい先日に200ドル台を突破したと思ったら、2月15日には280ドルを一時的に突破し、2019年7月以来の300ドルが見えてきた。好調さの背景にあるのは何だろうか。

グレイスケールのプレミアム増加

1つは、機関投資家による注目度の上昇だろう。仮想通貨投資会社グレイスケールのイーサリアム信託では機関投資家が220%のプレミアムを払ってイーサを購入している。イーサリアム信託では1シェアが81.5ドルで取引されているが、1シェアは本来は25.46ドル分の価値しかない。

グレイスケールのイーサリアム信託は1億5450万ドル(約168億円)の顧客資産をマネジメントしている。機関投資家は、仮想通貨を現物で保有してカストディや規制の問題に対処するの労力を避けるために、グレイスケールにプレミアムを払う。

イーサも「安全資産」?

仮想通貨の中で「安全資産」と言えばビットコインが有名だが、サンジョゼ州立大学の研究者がイーサの「ヘッジ、資産の多様化、安全資産」としての可能性について論文を発表。「仮想通貨イーサリアムは、米株や金(ゴールド)市場に対するヘッジ」でありイーサリアムは「金市場にとっての安全資産」、「米ドルにとっての資産多様化の手段」と主張した。

サンジョゼ州立大学は、2017年12月から2018年12月のデータを使った。

JPモルガンとコンセンシスの合併報道

JPモルガンチェースのブロックチェーン部門クオラムとイーサリアム系のブロックチェーン開発企業コンセンシスが合併すると報じられた。正式発表されておらず協議中という段階だが、もし実現すれば、米国の大手銀行がイーサリアムのエコシステムに組み込まれることに期待感がある。

仮想通貨イーサは連勝記録中

イーサは、7週連続で上昇中だ。これまで最高の連勝記録は、2017年1月から3月までの期間に生まれた。もし今週と来週も上昇で終われば、イーサは週ベースで新たな連勝記録を樹立することになる。

DeFi(分散型金融)の資産が10億ドル突破

イーサリアム活用の代名詞とも言えるDeFi(分散型金融)にロックされる資金額が10億ドル(約1100億円)を突破した。資金のうち、イーサは70%ほどを占めている。

DeFiプロジェクトで世界で3番目に大きいシンセティックス(Sinthetix)共同創業者ケイン・ワーウィック氏は、コインテレグラフの取材に対して、DeFiの成功でイーサリアムの可能性を多くの人に理解してもらえたと分析した。

イーサリアムが伝統的な金融アプリを分散型のプラットフォームで再現するというアイデアはついに現実とものとなり、人々が理解し始めた

その上で同氏は、人々が仮想通貨に再び熱狂し始めているのはイーサリアムのおかげと発言。「全てのことが起きている場所がイーサリアムだ」とし「全てのクールなプロジェクトや面白いアプリが生まれているのはイーサリアム」と断言した。

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翻訳・編集 コインテレグラフ ジャパン