米国の内国歳入庁(IRS)が仮想通貨(ETH)と2つの人気ゲームトークン、フォートナイトのVバックス(V-bucks )とロブロックスのロバックス(Robux )を「交換可能な仮想通貨(Virtual currencies)」の例から削除した。

2月12日、ブルームバーグタックスの報道によってIRSの変更に影響を与えたと見られている。現在、交換可能な仮想通貨な例としてあげられているのは、ビットコイン(BTC)のみだ。

フォートナイトとロブロックスの利用者数は3億人以上と報じられている。もし両者のゲーム通貨が「仮想通貨」と見なされれば、数百万人の米国人ユーザーが納税において新たな申告をする必要に迫られていたことになる。

IRSの納税申告書「フォーム1040」は、2019年に仮想通貨の受け取り、売却、交換、もしくは金銭面で関わりがあったかに関して「イエス」か「ノー」で答えることを要求している。

出典: Bloomberg Tax 「IRSによる仮想通貨の定義(変更前)」)

IRSによる仮想通貨の定義

IRSは、仮想通貨について「交換価値、価値の尺度、もしくは価値保存手段として機能する価値のデジタル的表示」と定義している。「交換可能な仮想通貨」については「リアル通貨で同等の価値があるもの、もしくはリアル通貨の代わりとして機能するもの」と定義している。

IRSは、ビットコインは「利用者の間で取引や購入が可能で、米ドルやユーロ、その他のリアル通貨もしくは仮想通貨に交換が可能」と指摘している。

フォートナイトのゲーム通貨は仮想通貨?

ブルームバーグタックスによると、フォートナイト側はIRSが一度仮想通貨の例としてフォートナイトのVバックスをあげたことに苦言を呈している。

「Vバックスは、『利用者間でデジタルで取引』できないし、『米ドルやユーロ、その他のリアル通貨や仮想通貨と交換』できない」

対照的にロバックスは一定の条件の下では法定通貨との交換が可能だ。13歳以上で少なくとも10万ロバックスを保有しておりロブロックスのプレミアム会員であれば、ロバックスを米ドルに変えられる。

ロブロックスは「開発者はディベロッパー・エクスチェンジ(DevEx)プログラムを使って稼いだロバックスをリアル通貨に交換できる」と述べた。またDevExでの取引はIRSに報告していることを明かした。

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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン