米財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は、テロ組織の資金供給と思われる「不審な活動」に関連して、金融機関に警告を発した。
10月20日の通知で、FinCENは、10月7日のイスラエル攻撃の背後にいるパレスチナの過激派組織ハマスが、活動資金を調達するために「仮想通貨と偽の慈善団体を利用した資金調達活動」を行っていたと指摘した。FinCENは、仮想資産サービスプロバイダーや他の金融機関に対し、ハマスとの関連性が疑われる取引を「特定し、報告する」よう求めた。
具体的には、FinCENは、ハマスと関連のある管轄区域でビジネスを行っているクライアント、既に外国資産管理局(OFAC)の制裁リストに記載されている団体、ソーシャルメディアで仮想通貨の寄付を募る団体に対して金融機関が警戒するようにと注意を喚起した。
この警告に先立ち、FinCENは、仮想通貨ミキシングをマネーロンダリングの主要な懸念事項として指定した。
FinCENの警告は、ハマスによるイスラエルへの攻撃を受けて米議会が仮想通貨について表明した懸念を受けたものだ。10月17日には、米議会の100人近い議員がバイデン政権に対し、「違法な仮想通貨活動を迅速かつ明確に制限する行動を取る」よう求めた。また、米財務省の役人は、ハマスとの関連が疑われるガザの仮想通貨運営者を制裁対象リストに追加した。
FinCENは2022年3月、ロシア企業が仮想通貨を利用して制裁を回避しようとしているとして、金融機関に対して同様の警告を発した。この通知は、ロシア軍がウクライナを侵略した数日後に発された。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン