株・仮想通貨投資アプリのロビンフッド・マーケッツは1日、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)に向けた目論見書を提出した。
目論見書によると、ロビンフッドはクラスA普通株式で上場を目指している。承認されればナスダックで今夏にも上場する。ティッカーは「HOOD」。株式の20〜35%を個人投資家に販売し、IPO規模は1億ドルを見込む。フィナンシャル・タイムズによると、上場時の時価総額は400億ドルを超えると見込まれている。
ロビンフッドの目論見書では収支についても明らかになった。2020年の純損益は744万ドルの黒字に転じた。前期は1億650万ドルの赤字だったが、個人投資家の需要の他に仮想通貨からの収入が影響したとみられる。
目論見書によると、2021年第一四半期の総収入のうち、17%が仮想通貨によるもので、950万人以上のユーザーが880億ドルの仮想通貨を取引した。特に貢献したのがDOGEで、仮想通貨全体収入の34%を占めた。同社は他のトークンの需要がなければ、ドージコインの市況が悪化すれば、ロビンフッド自体のビジネスに悪影響が出ることも懸念を示した。
制裁金は7000万ドル
ロビンフッドは30日にFINRA(金融取引業規制機構)から7000万ドルの罰金を科された。FINRAが命じた制裁金としては過去最大だ。2020年3月にあったサービスの一時停止をめぐり、FINRAはロビンフッドに監督不備があったと指摘し、数百万人のユーザーに損害を与えたとした。
制裁金は課徴金5700万ドルに、損害を受けた顧客への支払いが1260万ドルの内訳だ。
ロビンフッドは現在、ゲームストップ株に関連したプラットフォームの停止やアカウントの乗っ取り、取引制限などに関連して、複数の訴訟を起こされている。同社は「アンチマネーロンダリングおよびサイバーセキュリティ関連の問題」に関連して、ニューヨーク州金融サービス局に1500万ドルを支払うことになるとしている。