バイナンスの趙長鵬(ジャオ・チャンポン)CEOが6日、コインテレグラフのインタビューに答え、マルタに銀行口座を開設したことを明らかにした。
これによりバイナンスは、自社のプラットフォームで法定通貨と仮想通貨の預金や引き出しを行う計画の実現に向けて一歩近づいた。銀行口座の開設は、取引所の流動性を高めるほか、法定通貨を持つ新たな投資家の呼び込みにも効果的と見られている。

 現在、バイナンスは世界最大の仮想通貨取引所で、コインマーケットキャップによると、現在の取引高は14億7000万ドル。CZとして知られる長鵬CEOは、新たな銀行口座の開設について「とても重要な前進」と話した。バイナンスは、3月に日本の金融庁から警告を受けて以降、マルタに本社を移転することが伝えられている。マルタは、その強固で透明性の高い規制で知られ、ブロックチェーン企業の逃避先として急速に地位を確立している。

 CZは、コインテレグラフとのインタビューで、法定通貨と仮想通貨の交換を「年内」に実現する一方、ウガンダやアジア地域にもサービスを提供する計画を明かした。 

 マルタにおける全体の進捗状況についてCZは、「かなりうまくいっている」と話し、マルタの証券取引所とも将来の提携を視野に交渉中であることを明言。マルタはブロックチェーン企業にとって「最も良い場所の一つ」で「ブロックチェーン島」の名に値するとし、仮想通貨業界に対する規制当局の姿勢も「大変好意的で筋が通っている」と称賛した。3月末以来すでにブロックチェーン関連企業数十社がマルタに進出したことにも言及した。

 一方、CZはバイナンスがブロックチェーン国家の建設のために島を買ったというというは否定。「概念的には可能なことだが、そんなに簡単にいかない。取引所を一つ設立するだけでも十分だよ」と笑いながら答えた。ただCZは、ブロックチェーン国家は「短絡的で理想主義的」と否定しつつも、人々の「高い関心」をみる上で今後も噂に対してどんな反応が出てくるのか楽しみにしていると付け加えた。

 インタビューの全文は今後すぐにコインテレグラフに掲載される予定だ。