仮想通貨取引所バイナンスの共同創設者である何一氏が、同社がいわゆる「創始計画」を企てているという中国のフィンテックメディアによる主張を否定した。その計画とはバイナンス独自のブロックチェーン国家を、私有の島で建国するというものだ。QQニュースが16日に報じた

 信用性の高いフィンテックメディアの「一本財経」は、この話を裏付けるために「この件に詳しい内部情報筋」の話を引用した。この情報筋は、バイナンスはすでに「島を購入」しており、仮想通貨が法定通貨となるこの仮想通貨の楽園で、前例のないブロックチェーンの活用方法を試験するための胸躍る計画があると主張した。

 一本財経の情感に満ちた記事は、バイナンスが中国、香港、日本の当局からの追跡を受け、ベンチャーキャピタルのセコイアに悩まされ、ブロックチェーンの避難所になっているマルタでの休息を強いられていると述べた。今回の話の背景にある現実世界での着想元はこのマルタかもしれない。

 何一氏は、この主張に反論した。バイナンスは確かに「ブロックチェーンや仮想通貨産業の合法化を世界的に促す」というビジョンを持っていると強調しつつも、次のように述べた。

「この(問題の)記事は、バイナンスのイメージを悪意を持って毀損しており、国内の規制当局がバイナンスに悪印象を持つ原因となっている。国家を作る?そのような話をでっちあげるのは実に馬鹿げている」

 一本財経はまた、今年仮想通貨界隈に出回った有名な中国語のホワイトペーパーを引用した。これは「ブロックチェーン共和国」と題する、国連のフロンティアでのブロックチェーンによる主権国家に関するプロジェクトで、人類を「相互不信という冷酷な弱肉強食の法則」である中央集権の国民国家組織から解放するという。

 バイナンスは現在、取引高で見て世界で2番目に大きな仮想通貨取引所であり、趙長鵬CEOは自分の私有財産が20億ドル程度だと以前述べている。本社をマルタに移すことで規制当局の監視から逃れようとしているという主張に同社は反論し、代わりにマルタ島の健全で透明性のある仮想通貨規制についての前向きな見通しを強調した。

 バミューダの財務相は先月、バイナンスとの了解覚書(MOU)に署名した。バミューダで「グローバルなコンプライアンス基盤」を開発する計画だと言われている。実際のところ一本財経は明らかに、先月投稿されたバミューダに関する趙氏の熱意あるツイートから着想を得て、話題性のある現実離れした未来の仮想通貨王国を描き出している。

 @cz_binance バミューダショーツはフォーマルな服装だ。快適で合理的で、昨日通過したバミューダの仮想通貨事業法のようだ。これは歴史的な瞬間だ。@BermudaPremier氏(中央)と彼のチーム、そしてガブリエル氏(左)の多大な貢献に感謝する。