中央集権型の仮想通貨取引所は、今後10年以内に分散型金融(DeFi)のアグリゲーターに取って代わられる可能性があると、1inch共同創業者のセルゲイ・クンツ氏が語った。

シンガポールで開催されたToken2049でコインテレグラフのインタビューに応じたクンツ氏は、中央集権型取引所は徐々に分散型取引所(DEX)のフロントエンドへと移行していくと予測した。「おそらく5年から10年かかるだろう」と同氏は述べた。

クンツ氏は、中央集権型取引所が孤立した市場であるのに対し、1inchとそのアグリゲーターはグローバルな流動性ハブとして機能していると主張した。

1inchは10月2日、米国の大手仮想通貨取引所コインベースと提携し、ユーザーにDEX取引を提供するサービス統合を発表している

クンツ氏はまた、中央集権型取引所がオンチェーンシステムに投資している事実は、彼ら自身が依存している技術が、「分散型取引所やデジタル化された金融があるため、永遠には続かない」ことを理解している証拠だと語った。

「彼らは取り残されるリスクを避けたいと考えている。だからこそ我々の技術を導入する。それは金融業界全体を強化するものになるからだ」と同氏は述べた。

1inch共同創業者のセルゲイ・クンツ氏Source: Cointelegraph

インフラプロバイダーへの転換

この発言は、1inchが事業モデルを変更し、DeFiインフラプロバイダーとして他事業者へのアクセス提供に注力すると発表した直後に出たものだ。これにより、1inchはバイナンス、コインベース、レジャー、メタマスク、トラスト・ウォレットといった中央集権型取引所やウォレットに対し、非カストディアル型スワップの導入を促進することを目指している。

クンツ氏によると、同プロトコルは開発者向けに製品を単一のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)に統合した。現在では、プラットフォームの大部分のビジネスが独自フロントエンドではなくAPI統合を通じて行われており、この傾向は約1年間続いているという。

拡大路線を続ける1inch

1inchは8月、ソラナとイーサリアム仮想マシン(EVM)基盤ネットワークを接続する「インテントベース」のクロスチェーンスワップを導入し、最大抽出可能価値(MEV)からの保護を提供した。6月には、価格ルート探索アルゴリズムをアップデートし、最大6.5%良いスワップレートを実現できると主張した

さらに約1年前には、ユーザーが資産の自己保管を維持したままクロスチェーンでデジタル資産をスワップできる機能も導入している

bitbankで新規口座開設後、1万円の入金でもれなく現金1,000円プレゼント!【PR】

仮想通貨, 仮想通貨取引所, 分散型取引所(仮想通貨・暗号資産), digital currency exchange, DEX, Token2049