イーサリアムの共同創業者で、ブロックチェーン企業コンセンシス創業者でもある、ジョセフ・ルービン氏がドイツの報道機関t3nのインタビューに答え、ブロックチェーンは「ずっと複雑なため」インターネットよりも発展に「少し時間がかかるだろう」と語った。

ルービン氏は記者に対し、ブロックチェーン技術はウェブと同じような発展の仕方をしていると語り、これまでに「何百ものプロジェクトが人間社会で実用化されている」と、その飛躍的な成長について言及した。

またルービン氏は、分散型仮想通貨におけるブロックチェーンの使用事例に基づき、分散型台帳技術(DLT)は「インターネットよりも社会に浸透し」、分散型インターネット(Web3.0)を可能にするだろうと語った。しかしルービン氏は、ブロックチェーンの大規模な採用はインターネットよりも時間がかかると予測する。

「(ブロックチェーン プロジェクトは)人々が再び、さらに多くの役に立つものを作り上げることを可能にするだろう。それはウェブが発展した理由と同じだ。それはずっと複雑なため、たぶん少し余計に時間がかかるだろう。また、デジタルマネーのようなテーマで取り組まれるブロックチェーンは、インターネットよりも社会に浸透するだろう。すべてのものはWeb3でネットワーク化される」

インタビューの中でルービン氏は、コンセンシス社(イーサリアムに重点を置くインキュベーターおよびインフラ開発会社)がイーサリアムのリリース前に「生まれた」事実を強調し、その目的は分散型「エコシステム」を実現するためのツールとインフラを構築して、その中でイーサリアムを機能させることだったと指摘した。

またルービン氏は、同社の関心はそのエコシステムを「コントロール」することよりも、むしろ進歩させることにあると強調した。

 

「私たち(コンセンシス)は多くのことを行っているが、エコシステムをコントロールすることには関心がない。エコシステムを促進することに興味がある」

イーサリアムエコシステムの分散化に関する質問には、「生まれてからまだ3年で、完全な成熟を期待するのか?」と反論した。

現在のインターネットのダイナミクスがどのようにしてWeb3.0に変わる可能性があるのか質問されると、ルービン氏はコンセンシスを、フェイスブックやグーグルなどのインターネット大手と比較する見方を一笑に付し、代わりにブロックチェーンで中央集権化勢力となり得る存在として、「IBMとマイクロソフト、アクセンチュアとデロイト」の名を挙げた。

またルービン氏は、今日のインターネットの基本ビジネスモデルは、「自己決定型の主権的アイデンティティを可能にする」ブロックチェーンの性質と相容れないと述べた。