トランプ一族が関与するワールド・リバティ・ファイナンシャルの財務提携先であるALT5シグマが、米証券取引委員会(SEC)による調査対象になっているとする報道に対し、関与を否定する声明を出した。

火曜日、一部メディアがベンチャーキャピタリストのジョン・アイザック氏について、ALT5がワールド・リバティ・ファイナンシャルと締結した15億ドル規模の資金調達契約に関連し、SECによる利益水増しやインサイダー取引の疑いで調査を受けていると報道した。

これを受けてALT5シグマは数時間後、Xで声明を発表。アイザック氏は現在も過去も同社の社長や顧問ではないとした上で、SECによる調査についても「現時点で把握していない」と述べた。 

Source: ALT5 Sigma

アイザック氏本人もX上で、自らはALT5の社長ではなく、SECの調査対象でもないと投稿。発端となったジ・インフォーメーションの記事について、「自身の役割と規制上の立場に関する重大な事実誤認がある」と反論した。

この報道を受けてALT5の株価(ALTS)は10.5%下落し、10.48ドルとなった。時間外取引ではさらに5.39ドルまで下落しており、これは8月12日に同社がWLF向けに2億株を15億ドルで発行すると発表した際の水準をも下回っている。

アイザック氏、自らのALT5株保有を認める

アイザック氏は、かつてALT5の前身であるJanOneを「引き継いだ」としつつも、同社が米国でSPAC上場しALT5として再編される前に退任したと説明した。

現在は投資会社ライブ・ベンチャーズのCEOを務めており、ALT5とは緊密な関係にあるものの、直接的な経営陣ではないという。ただしALT5の株式は依然として100万株以上保有しており、時価にして約548万ドルに相当するとしている。

「私はALT5シグマの将来を信じ、強く支援している。毎日株式を買い増している」とアイザック氏は投稿している。

なお、ALT5のウェブサイトには同氏の父であるトニー・アイザック氏が取締役として記載されている。ライブ・ベンチャーズの情報によると、トニー氏はALT5の会長兼社長を務めているとされている。

Source: Jon Isaac

SEC提出資料にはコンサル契約の記載も

SECに提出された2024年3月の書類によれば、ALT5はアイザック氏と2年間のコンサルティング契約を締結しており、同氏は成長戦略、財務再構築、顧客獲得、新商品開発、市場調査などを担当するとされていた。

契約には経営陣との「週次アップデート会議」にも出席することが定められており、企業目標への進捗確認を求められていた。

さらに、アイザック氏は同契約に基づく54万ドルの約束手形を保有していたが、2024年12月23日に46万5753株への転換が実施されたとSEC資料に記載されている。

コインテレグラフはALT5、WLF、そしてSECにコメントを求めているが、本稿執筆時点で回答は得られていない。

SECは過去にもアイザック氏を提訴

SECは2021年、アイザック氏とその関係企業であるライブ・ベンチャーズおよびJanOneを相手取り、財務報告および情報開示の虚偽を理由に民事訴訟を起こしている

この訴訟では、利益の水増し、契約日付の改ざん、名義貸し口座を通じた株式売却の隠蔽などが争点となっており、アイザック氏側は一貫して不正を否定。現在もネバダ州の連邦裁判所で審理が続いている。

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