米国の現物型イーサリアム上場投資信託(ETF)は、取引2日目で1億1330万ドルの純流出を記録した。主な原因はグレースケールのイーサリアム・トラスト(ETHE)からの流出によるものだ。
新たに上場された8つのイーサリアムETFのうち7つは、取引2日目に純流入を記録した。フィデリティのイーサリアムETF(FETH)とビットワイズのイーサリアムETF(BITW)がそれぞれ7450万ドルと2960万ドルの流入で先頭を切った。
ブラックロックのiシェアーズ・イーサリアム・トラスト(ETHA)は、7月23日の取引初日に最も強力な流入を記録したが、7月24日には投資家から1740万ドルしか集められなかった。

イーサリアムETFは、最近機関投資家向けファンドから転換されたグレースケールのイーサリアム・トラスト(ETHE)の大規模な流出によって圧迫された。
ETHEは3億2690万ドルの流出を記録した。2017年にグレースケールによって立ち上げられたETHEは、機関投資家がETHのエクスポージャーを持つことを可能にしたが、すべての投資に6ヶ月のロックアップ期間を課していた。7月22日にイーサリアムETFに転換されたことで、投資家はETH持分をより簡単に売却できるようになった。
転換後の2日間で、ETHEは8億1100万ドルの流出となり、既存のETHE投資家はファンドの保有量の9%以上を売却したことになる。
最近のイーサリアムETFのパフォーマンスは前例がある。ビットコインETFは最初の10取引日のうち6日間で純流出を記録したが、これもグレースケールのビットコインETFからの流出によるものだった。
ETHは現在3172ドルで取引されており、過去24時間で6.8%、週足では7.4%下落している。ETHの価格の悪化は株式市場の広範な売却と軌を一にしており、S&P500も2.3%下落している。

注目すべきは、ETHがビットコインよりも急激に下落したことだ。ビットコインは2.6%の下落にとどまった。これは、カイコのアナリストであるウィル・カイ氏がのべた「ETFのローンチ後、ETHの価格は流入に対して非常に敏感になる可能性がある」という予測と一致している。