イーサリアムの次期大型アップグレード「デンクン(Dencun)」が3月13日にメインネットでのローンチが決定した。これにより、トランザクションコストを抑えるプロトダンクシャーディングとブロブ(BLOB)が導入される。

イーサリアムインフラ企業ネザーマインドの2月8日の投稿によれば、ハードフォークは3月13日のUTC時間の13時55分35秒に実施される予定だ。これはイーサリアムネットワーク上でのスロット8626176に相当すると、イーサリアムのコアデベロッパーであるティム・ベイコ氏が付け加えた。

2月7日にホレスキー(Holesky)テストネットでデンクンが成功裏にデプロイされた後、2月8日に開催された「AllCoreDevs」コールでイーサリアム開発者たちによって日付が決定された

プロトダンクシャーディングは、「ブロブを持つトランザクション」を実装し、イーサリアムレイヤー2のブロックスペースを増やすものだ。ブロブを持つトランザクションは通常のトランザクションと似ているが、追加のデータを持つ。

ブロックネイティブによると、プロトダンクシャーディングは各ブロックに16個のブロブを制限し、それぞれが128KBを超えないようにする。これによりブロックスペースは約2MB増加すると予想される。

オプティミスティックおよびゼロ知識ロールアップは追加のデータスペースを活用して、実際のデータをカルデータではなくデータブロブで利用可能になる。

イーサリアムの創設者の一人であるヴィタリック・ブテリン氏は、トランザクションを安価にするための十分なスケーリングインフラがなければ「イーサリアムは失敗する」と述べている

「イーサリアムは失敗する。なぜなら、各トランザクションが3.75ドル(さらなる強気相場があれば82.48ドル)かかり、マス市場を目指す全ての製品が最終的にチェーンを忘れて、すべてに中央集権的な回避策を採用するからだ」とブテリン氏は昨年6月に語った。

デンクンがイーサリアムメインネットに成功裏に実装されれば、ロールアップのコストは最大10倍まで下がる可能性があると、グノーシスのインフラストラクチャー責任者であるフィリップ・ショマース氏はコインテレグラフに語っている

デンクンはカンクン(Cancun)とデネブ(Deneb)のアップグレードを組み合わせたもので、昨年4月のシャペラ(Shapella)アップグレード以来、イーサリアムにとって最も重要なアップグレードと見なされている。シャペラアップグレードでは、2020年12月1日にプルーフ・オブ・ステーク(PoS)チェーンが立ち上がって以来初めて、イーサリアム(ETH)のアンステーキングが可能になった。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン