グレースケールの現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)から3日間で約11億ドルが流出した。これは近年3年間で現物とのディスカウントが最低水準に縮小したことを受け、投資家がファンドからの撤退を急いだためだ。
ブルームバーグのETFアナリストであるジェームス・セイファート氏によれば、取引3日目の1月16日だけで約5億9400万ドルの流出があった。
セイファート氏は最近立ち上げられた他のビットコインETFでは資金流入があったが、「GBTCからほぼ6億ドルの流出を補うには十分ではないだろう」と述べる。
Today is likely to be a net outflow day for the #bitcoin ETFs. Estimating ~$594 million left $GBTC for a total of $1.173 billion in outflows. Most others saw inflows but doubt its enough to offset nearly $600 mln out of $GBTC https://t.co/elD9qkyjj2
— James Seyffart (@JSeyff) January 17, 2024
セイファート氏や他のアナリストは、株式取引に通常伴う会計・決済プロセスのため、資金の流れを計算する際に不一致が生じる可能性があると指摘している。
GBTCを巡っては、数年にわたって投資家がファンドに資金を借りて参加し、そのプレミアムから利益を得ていた。2019年7月にはGBTCのプレミアムは43%に達していた。しかし、このプレミアムは2021年2月に突然ディスカウントに転じ、GBTC株を購入した投資家に課された最低6ヶ月のロックアップ期間のため、多くの投資家がファンドに閉じ込められた。さらにディスカウント率がどんどん拡大するため、株を売ることをためわせることになった。GBTCのディスカウント率は2022年12月には48.9%まで低下した。

GBTCが現物型ETFに転換された後、ディスカウント率は1.55%まで低下し、長期間資金を閉じ込められていた投資家が出口を求め始めた。
GBTCからの推定11億7000万ドルの流出は、現在の価格で約2万7000BTCに相当する。
CC15キャピタルによれば、GBTCを除く他の9つの現物型ビットコインETF発行者は合計で3万5761ビットコインを保有している。
グレースケールの60万5891ビットコインの他に、ブラックロックのETFは1万1439BTC、フィデリティのETFは9750BTCを保有している。ただし、CC15キャピタルのデータによると、各ETF発行者のビットコイン保有量は最新のものでない可能性がある。
UPDATE 1 for 1/16 Bitcoin ETF activity $BITB posts the first update & an increase of 1,172 #Bitcoin https://t.co/9wqUajgDUm pic.twitter.com/t2BexSY8qQ
— CC15Capital (@Capital15C) January 17, 2024
一方、キャシー・ウッド氏が率いるARKインベストは、最近承認された自社のARK21シェアーズ・ビットコインETF(ARKB)の積み増しを開始した。ARKBは現在2535BTCを保有し、10の現物ビットコインETF発行者の中で5番目に大きなビットコインの保有となっている。
ARK begins buying its own bitcoin ETF…
— Nate Geraci (@NateGeraci) January 17, 2024
Was simply matter of time. https://t.co/Z8P4nMGBNO