著者 DMM Bitcoin マーケットレポート

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金価格の上昇は一旦落ち着いたか

TradingViewより作成

上図は、2020年1月から現在までの金(ゴールド)価格(ドル建て)の週足チャートである。

まず本稿で記述するZPG(ジパングコイン)についてであるが、金1g=1ZPGとして、概ね金価格に連動することを目指しており、本物の金(ゴールド)と同様にインフレヘッジの手段としての機能が期待されるコモディティ(商品)トークンである。

2022年2月から株式会社デジタルアセットマーケッツで取扱いが開始され、当社では同年7月より取扱いを開始した。

なお、金価格と連動するように設定されていることから、本レポートでは日本円換算の金価格をZPGの価格として取り扱い、発行開始前のZPGのレートは存在しないが、レポートの都合上、円建ての金価格でZPGの過去の価格の代用を行う。

また、円建ての金価格をZPGと表現し、単純に金価格という場合にはドル建ての金価格を示すこととする。

まず金価格に影響を与える要因について整理する。

上昇側
・法定通貨からの逃避(不信感)
・インフレヘッジ需要(名目金利とインフレ率の差による実質金利の低下)
・経済成長による実需
・世界的な情勢不安(安全資産での需要)

下落側
・法定通貨の金利の上昇
・米ドル価値の上昇(金取引の基軸になるため)
・インフレ懸念の沈静化
・国際情勢の安定化

上昇・下落に関して以上のような事柄が考えられる。

ここで上図で金価格推移を確認すると、2020年3月のコロナショック頃から上昇し、感染拡大により世界経済への影響が懸念された8月頃にかけて急伸し、初の2,000ドルを突破した。

その後は米金利の上昇等により金価格は一旦下落に向かい、1,800ドル台で方向感を無くしたものの、ロシアによるウクライナ侵攻への懸念から有事の金買いの動きが強まった。

その流れにより2022年3月に再び2,000ドルを突破することとなったが、ウクライナへの侵攻が実際に開始されたのちは、下落に転じている。

その後、市場の目は米国の金融政策に移り、6/10、7/13発表の米消費者物価指数はいずれも予想を超える記録的な上昇となり、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ加速が意識され、金価格には強い逆風となったようだ。

しかし、足元では7/28に行われたFOMC(連邦公開市場委員会)で、パウエル議長が利上げペースの緩和について言及したことにより、ドル金利が低下しドル売りが加速、金価格は上昇に転じることとなった。

この際にコロナショック後のレンジ下限で反発しており、一旦は底打ちしたかに思え、再度レンジ内で落ち着く可能性もあるだろう。

一方で、ここから大きく上昇するかどうかにはまだ疑問符がつきそうだ。

過去に金価格が2,000ドルを超えた際はいずれも有事であった。

そのため金価格の大きな上昇には、新たな世界情勢不安やインフレ沈静化が進まず、景気後退が同時進行するスタグフレーションのような状況になるなどの、明確な材料が必要かもしれない。

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