分散型ブラウザのBrave(ブレイブ)が、大手スマートフォンメーカーのHTCの携帯電話でデフォルトで搭載されることになる。テック系ニュースのCNETが10日に報じた。

HTCは1997年に設立された台湾の大手家電メーカーだ。テッククランチによれば、2010年末時点では米国のスマートフォン市場で大きなシェアを持っていた。だがHTCのシェアはその後低下していくことになる。アップルやサムスン、LGといったメーカーのスマホがシェアを伸ばしていくに従い、そのシェアは減少していき、2017年にはそのシェアはわずか2.3%となった。2018年にはさらに減少し、0.5%になったともいわれている。

Braveはオープンソースのブロックチェーン・ブラウザで、広告やウェブサイトのトラッカーをブロックする。Braveには約470万人のユーザーがいるといわれている。

報道によれば、BraveはHTCのExodus 1にプレインストールされる。Exodus 1は「最初のネイティブ・ブロックチェーン携帯」とされ、ビットコインやイーサリアムなど複数のブロックチェーンをサポートする。HTCのExodus 1の計画は2018年5月にはじめて発表された

Braveの共同創業者であるブレンダン・アイク氏(Mozillaでの活躍で知られている)は、12月8日のツイートの中で、HTCとのパートナーシップについて発表。「HTCのExodus携帯と協働し、@Braveがデフォルトのブラウザとなることをとてもうれしく思う」とのべている。

Braveブラウザは、独自の仮想通貨BAT(Basic Attention Tokens)を使い、広告主への支払いやユーザーへの報酬として使う。また仮想通貨BATで、プレミアムコンテンツの決済にも使用できる。Braveは2017年6月にイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を実施し、わずか30秒で3500万ドルを調達している。

今年11月には、ベンチャー企業のSIRIN Labsが、ブロックチェーンにフォーカスしたスマートフォン「FINNEY」をローンチしたばかりだ。FINNEYはアンドロイドとSIRINのOSをベースとしており、コールドストレージの仮想通貨ウォレットと、暗号化された通信を提供するのが特徴だ。

今年の夏には、アンドロイド向けのOperaブラウザが、仮想通貨ウォレットを内蔵したプライベートベータ版を発表。Operaの仮想通貨ウォレットはイーサリアムに対応。Ethereum Web3 APIをサポートし、ユーザーが分散型アプリ(Dapps)をシームレスに使えるようにする。