サイバーエージェントが仮想通貨事業への参入を断念したことがわかった。ビジネスインサイダーが20日に伝えた。金融庁による審査が長期化する中で、参入の遅れが競争力低下につながると判断とした。また19年中にサイバーエージェントのサービスで使用できる独自の仮想通貨の発行を目指すという。
サイバーエージェントは、子会社のサイバーエージェントビットコインを通じて、仮想通貨交換業の登録を目指していた。だがコインチェックでのNEM流出事件を受け、金融庁が交換業者への監督を強化。新規で参入する事業者への審査にも遅れが出ていると報じられている。
ビジネスインサイダーによれば、サイバーエージェントは、「登録手続きが長引くことによる取引所事業への参入の遅れは、競争力の大幅な低下につながると判断した」。
サイバーエージェントエージェントの卜部宏樹社長は、ビジネスインサイダーの取材に対して、独自の仮想通貨の研究に注力する方針に転換したと明らかにした。サイバーエージェントが展開する、インターネットテレビ局のAbemaTVやゲームなどでの独自通貨の活用を目指し、研究と開発を進めるという。
仮想通貨取引所事業を巡っては、金融庁の監督強化を受け、既に複数の事業者が登録断念や事業撤退を発表している。一方で、マネックスグループによるコインチェックの子会社化や、ヤフーのビットアルゴ取引所東京への資本参加など、大手企業の参入が相次いでいる。