【追記】東京ゲートウェイは29日夜、同社サイトに今回の報道についてのリリースを掲載した。その中で出勤業務は継続するとし、新規の利用登録と入金業務、リップルプロトコル内での取引などは停止するとしている。事業停止のスケジュールは別途アナウンスするという。

 リリースの中で登録申請を取り下げた事実を認めた。個人情報の特定などといった規制当局から指摘を受けた点について、「当社の力不足と権限不足により速やかに解決できないと判断し、日本でのゲートウェイ事業を終了いたします」と説明している。

 

 日本で営業する仮想通貨取引所2社が金融庁への登録申請を取り下げ、事業から撤退することがわかった。日本経済新聞が29日に伝えた。金融庁はコインチェックでの不正流出事件を受け、利用者保護やマネーロンダリング対策などを強く求めており、体制整備ができない業者が撤退を選んでいるようだ。

 報道によれば、申請取り下げを申し出たのはミスターエクスチェンジ(福岡市)と、東京ゲートウェイ(東京・新宿)の2社。2社は顧客から預かっている仮想通貨や現金の返還手続きを経て、取引業から撤退するという。

 ミスターエクスチェンジはホームページで、申請取り下げを発表した。リリースの中で「現状では昨今の仮想通貨に関する情勢の変化に対応できるための万全な態勢を整えることが難しいと判断」したと説明している。今後は、利用者への資産の円滑な返還のための協議を進めるとしている。詳細が決定するまでは、売買や出入金のサービスは利用できる。同社は今月8日、金融庁から業務改善命令を受けていた。

 金融庁は、コインチェックの事件を受け、利用者保護や情報セキュリティーの対策の徹底を求め、登録審査を厳格しているという。 これまでにもビットステーション(名古屋市)、ビットエクスプレス(那覇市)、来夢(三重県鈴鹿市)の3つの「みなし業者」が申請を取り下げた

 また金融庁は今月23日、無登録で営業していたとして、香港を拠点とするバイナンスに対しても警告を行っている

 仮想通貨取引所の登録が難しくなっていることで、大手企業は既存の登録業者を通じて仮想通貨取引業に参入しようとしている。報道によれば、ヤフーは登録業者のビットアルゴ取引所東京(東京・渋谷)の株式を取得して、来春にも仮想通貨分野へ進出する計画だ。