ギャラクシーデジタルによれば、第3四半期の仮想通貨ベンチャーキャピタルを通じた資金調達が前四半期比で20%減少し、24億ドルとなった。ビットコインと高リスクなミームコインが主導する両極端な市場の影響を受け、中規模プロジェクトの資金調達が見落とされる形になった。

ギャラクシーデジタルのリサーチ部門責任者アレックス・ソーン氏とリサーチアナリストのゲイブ・パーカー氏の10月15日のレポートによれば、資金調達の減少に伴って取引数も17%減少してQ3の取引数は78件となった。24億ドルの資金調達は、2023年第3四半期比では21.5%増加している。

「ベンチャーの停滞は、ビットコイン(とその新しいETF)が注目を集めた一方、将来性が疑問視されるミームコイン取引が活発となる『バーベル市場』など、いくつかの要因によるものだ」と2人は書いている。

Crypto venture capital funding amounts and deal count quarter-on-quarter since 2016. Source: Galaxy Digital

この状況は、大規模な投資家からの「関心は最小限」となり、仮想通貨市場を2024年も「低調な」状態のままになっているとレポートは付け加えた。

両極端なバーベルポートフォリオは、ビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)などの時価総額が大きい仮想通貨と、ミームコインのような投機的トークンに投資することで構成され、中規模のユーティリティトークンやVC資金を求めるプロジェクトを無視する形になっている。

ギャラクシーのレポートによれば、年金基金やヘッジファンドのような大規模投資家からの現物ビットコインETFの高い需要が、これらの投資家が初期段階の仮想通貨VC投資を避ける原因となった可能性があるという。

ソーン氏とパーカー氏は、ビットコインの価格と仮想通貨VC資金調達の長年の相関関係が結果的に「崩れた」とも指摘する。「仮想通貨ベンチャーやベンチャー全般への弱い投資家の関心と、ビットコインを支持する市場のナラティブとが、2021年の多くのホットなナラティブが崩れた理由として部分的に説明できる」。

現物イーサリアムETFの需要はこれまでのところ低調だが、採用が進むことで、仮想通貨ネイティブの分散型金融やWeb3に対する関心をさらに遠ざける可能性があるとギャラクシーは指摘する。アーリーステージへの投資は第3四半期の資本投資の85%を占め、仮想通貨取引所、仮想通貨取引企業、レイヤー1ブロックチェーンを支える企業が資本の大部分を調達した。

人工知能(AI)を統合した仮想通貨企業の資金調達も、前四半期比で5倍の増加となっている。

Share of crypto VC by company type in Q3 2024. Source: Galaxy Digital

ギャラクシーデジタルによると、センティエント(Sentient)、セティ(CeTi)、サハラAI(Sahara AI)がそれぞれ8,500万ドル、6,000万ドル、4,300万ドルを調達している。

米国に拠点を置く仮想通貨企業は、第3四半期の478件の取引のうち43.5%を占め、VC資金の56%を獲得した。続いてシンガポールと英国がそれぞれ8.7%と6.8%であった。アラブ首長国連邦とスイスがトップ5の中に入っている。

ギャラクシーは、金利の低下とより緩やかな規制環境の可能性により、第4四半期および2025年第1四半期にVC資金調達が「加速する」可能性があると予測している。

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