米下院で「反CBDC監視国家法案(Anti-CBDC Surveillance State Act)」を提出したトム・エマー議員は、この法案が成立すれば、米連邦準備制度理事会(FRB)が中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行する権限が大幅に制限されると述べた。
ミネソタ州選出のエマー議員は金曜、記者向けの電話会見で3月に提出した同法案の進捗状況について説明した。
「もしFRBが現金を模倣するCBDCを発行できるのであれば、法律によってその可能性は認められる。しかし現状ではそれはできない」と、CBDC発行に対する米政府の立場について語った。
この法案は今月、下院が共和党主導の「クリプトウィーク」の一環として可決した3本のうちの1つであり、他の2本はステーブルコイン規制法案とデジタル資産市場構造法案だった。ただし、反CBDC法案はこれらの中で最も民主党の支持を得られなかった。
エマー議員によれば、反CBDC法案はFRBを含む米政府内のあらゆる機関に対し、一定の条件下でデジタルドルの開発を模索することを認めるものである。その条件とは、現金の特性を模倣し、「オープン」「許可不要」「プライベート」であることだと説明されている。
法案の文面では、FRB法を改正し、連邦銀行がCBDCに実質的に類似する「いかなるデジタル資産」も発行することを禁止することが提案されている。
7月18日に下院で可決された3法案のうち、大統領ドナルド・トランプによって署名され成立したのは、すでに上院を通過していたステーブルコイン規制法案「GENIUS法」のみだった。残る2法案のうち、デジタル資産市場構造に関する「CLARITY法案」とエマー議員のCBDC法案は、上院が8月の休会明けに審議を進めるとみられている。
共和党、9月中の市場構造法案成立を目指す
CBDC法案は9月以降も上院で審議対象となる見通しだが、共和党幹部の発言によれば、優先されるのはCLARITY法案であり、10月までの成立を見込んでいるという。
上院銀行委員会のデジタル資産小委員会で委員長を務めるワイオミング州選出のシンシア・ルミス議員は、トランプ政権による指名人事(次期商品先物取引委員会委員長候補ブライアン・クインテンツ氏など)を審議するため、上院を8月中も開会したままにするよう求めてきた。
同議員の広報担当者はコインテレグラフに対し、「大統領の政策実行を支援する」意向を示し、仮想通貨市場構造法案の準備にも時間を割く可能性を示唆した。
7月29日時点で、上院は8月3日からの休会日程を維持している。
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