ソラナ共同創設者のアナトリー・ヤコブレンコ氏は、ミームコインやNFT(非代替性トークン)を「デジタルの残飯(digital slop)」と表現し、ソラナがミームコイン主導の収益で大きな恩恵を受けているにもかかわらず、物議を醸している。
「何年も前から言っている。ミームコインやNFTはデジタルの残飯であり、本質的な価値はない」と、ヤコブレンコ氏は28日、X(旧ツイッター)への投稿で語り、これらのトークンをスマホ向け無料ゲームの「ガチャ」に例えた。
この発言は、ベースの創設者ジェシー・ポラック氏との議論の中で出たもので、ミームコインやNFTに本質的な価値があるのか、その価値がどこにあるのかを巡って論争となった。
ソラナラボのCEOであるヤコブレンコ氏は、それらの価値は市場による価格発見によって決まると主張。一方ポラック氏は、コンテンツ自体に内在的な価値があると反論した。
「絵画が博物館で入場料を取らなくても本質的に価値があるのと同様に、コンテンツ自体に価値がある」
ソラナのミームコインはアップルの「ガチャ」のようなもの
ヤコブレンコ氏は、ミームコインがなければソラナは現在の地位にないと認めつつも、「アップルの売上も、ガチャがなければ微々たるものだろう」と述べた。
ガチャ(loot boxes)は、AppleのApp Storeにある無料ゲーム内で提供される仮想報酬で、繰り返し課金を促しつつも結果が保証されない仕組みだ。透明性の欠如などが問題視され、オーストラリアやドイツを含む複数の国で規制当局の調査対象となっている。
ヤコブレンコ氏の過去のX投稿を確認すると、少なくとも2024年1月の時点から、ミームコインやNFTに価値がないとの見解を一貫して示していた。
仮想通貨コミュニティからの批判も噴出
今回の発言を受け、仮想通貨コミュニティからの批判が再燃した。XユーザーでFlaunchの寄稿者「Caps」氏は、ヤコブレンコ氏が自らのユーザー層を嘲笑していると批判した。
また、Xユーザーで仮想通貨コメンテーターの「Karbon」氏は、「私はヴィタリック(ブテリン)のミームコインへの対応が好きではないが、トリー(ヤコブレンコ)氏のやり方はさらに不快だ。無価値と信じながらも積極的に宣伝している」と述べた。
ソラナは依然としてミームコインに大きく依存
ソラナに特化したインフラ企業Syndicaによると、ミームコインは2025年6月時点で、ソラナネットワーク上の分散型アプリ収益の62%を占めており、過去最高を記録したという。
2025年前半、ソラナの16億ドルにのぼる収益の大半はミームコイン活動によってもたらされた。
この収益の多くは、ソラナ基盤のミームコイン発行プラットフォーム「Pump.fun」およびそのミームコインを取引する分散型取引所アグリゲーター「PumpSwap」から発生している。
一方、競合の「LetBonk」は近年、有力な対抗馬として浮上しており、24時間収益でPump.funを上回る場面も見られるなど、ソラナにおけるミームコイン発行プラットフォームとして存在感を強めている。
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