決済プラットフォームのペイパルは、米国の加盟店向けに100種類以上の仮想通貨での支払いを受け付ける新機能を展開する。海外送金取引への対応や、自社ステーブルコインの利便性拡大を狙う。

28日の発表によると、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、テザー(USDT)、USDコイン(USDC)、XRP(XRP)などが利用可能となる。このツールは、コインベース・ウォレット、メタマスク、OKX、クラーケン、バイナンス、ファントム、エクソダスといった仮想通貨ウォレットと統合されている。

仮想通貨での支払いは、チェックアウト時に自動的にペイパルのステーブルコイン「PYUSD」または法定通貨に変換され、加盟店は価格変動リスクを負わずに受け取ることができる。

仮想通貨決済にかかる手数料は0.99%で、ペイパルによればこれは通常のクレジットカード処理コストよりも90%低いという。比較として、Visaの手数料は取引額の1.75%からとなっている。

この機能は、費用が高く、特に中小企業にとっては複雑とされる越境取引の簡素化を目的としている。現時点では、ニューヨーク州を除く米国の加盟店に限定されている。

ペイパルもストライプやコインベースとともに、世界の仮想通貨決済の簡素化を推進

この動きは、PYUSDの時価総額が1月1日以降で約80%増加し、4億9,700万ドルから8億9,400万ドルへと拡大する中で行われた。また、ストライプなどの競合も、越境仮想通貨決済向けの新機能を次々と展開している。

2024年10月、ストライプはUSDコインを使ったステーブルコイン決済オプションを導入し、初日から70カ国のユーザーに利用された。2025年6月にはフィンテック企業のストライプとコインベースが提携し、両社のプラットフォーム間で法定通貨と仮想通貨の変換サービスを統合。ストライプはコインベースの「Base」ネットワークに対応し、コインベース・ウォレットはストライプの法定通貨オンランプ機能を組み込んだ。

ストライプやペイパルといったフィンテック決済プラットフォームが仮想通貨決済機能を強化する一方で、コインベースなどの中央集権型取引所は、以前から仮想通貨加盟店向けツールの開発を進めている。2018年には「Coinbase Commerce」を立ち上げ、ShopifyやWooCommerceなどのプラットフォームで仮想通貨による決済を可能にした。

2024年には、「x402プロトコル」という決済システムを発表。標準HTTP上で仮想通貨決済を可能にし、主にUSDCを使ってAIエージェントやAPI間で自動的に送金・受取ができる仕組みを構築している。

規制の明確化が、ステーブルコインと仮想通貨決済の成長を後押し

ペイパルの新機能は、最近成立した「GENIUS法」に続くものだ。この法律により、ペイパルのような企業がステーブルコインを決済インフラに統合するための規制下のルートが整備された。

中小企業も仮想通貨決済の導入に前向きな姿勢を見せている。飲食、小売、旅行、EC、不動産といった業界でも、迅速かつ低コストな決済手段として仮想通貨が活用され始めている。

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