ナスダック上場企業のトロン社(Tron Inc.)は、かつてSRMエンターテインメントの名でペニー株として取引されていたが、ジャスティン・サン氏のブロックチェーンプロジェクトとの逆合併を経て、トロン(TRX)保有の拡大を目的に10億ドルの資金調達を米規制当局に申請した。
米証券取引委員会(SEC)に提出されたForm S-3によると、トロン社は普通株、優先株、社債、新株引受権(ワラント)、権利証書、あるいはこれらを組み合わせた方法で資金を調達する計画だという。
調達された資金は、先月の逆合併後にすでに3億6,500万TRX以上を保有している同社のTRX準備資産の拡大に充てられる予定だ。
コインテレグラフが以前報じた通り、トロン社は当初、最大2億1,000万ドル規模のTRX準備金の構築を目指しており、その購入を支援するために1億ドルの株式投資を確保していた。
SECへの提出書類では、同社の準備資産戦略として、現金、短期運用資産、TRXトークンから構成される方針が示されている。
「当社はTRXトークンを長期保有資産とみなしており、今後も引き続きTRXを蓄積していく方針だ」と届出書には記載されている。
月曜、TRX価格は5%下落したが、トロン社の株価は資金調達申請の報道を受けて23%以上上昇し、11.80ドル超で取引された。SRMエンターテインメント名義で取引されていた同社は、逆合併とブランド変更以降、急騰を続けている。ヤフーファイナンスによると、同社株は6月10日以降で1,300%超上昇しているという。
同社の時価総額は2億ドルを超えている。
仮想通貨準備戦略、拡大へ
トロン社は、仮想通貨中心の企業準備資産戦略を構築する企業の一つだ。これらの戦略の多くはビットコイン(BTC)を中核としており、ストラテジー社のマイケル・セイラー会長による手法に影響を受けている。
業界データによると、ストラテジー社や複数のビットコイン採掘企業など、上場企業によるビットコイン保有量は7月28日時点で92万3,327BTCに上る。
月曜には、日本のメタプラネットが780BTCを追加購入し、保有量は1万7,132BTCとなった。
先週は、英国のサツマ・テクノロジーズが、同国で最大級となるビットコイン購入のために1億3,500万ドルを調達した。
カナダでは、ビットコイン・トレジャリー・コーポレーションが9,200万ドルを調達してビットコインを取得した後、トロント証券取引所での再上場を計画している。
仮想通貨準備戦略はビットコイン以外の資産にも広がっている。コインテレグラフの報道によると、コーラル・キャピタル・ホールディングスの元幹部らが、バイナンスのBNBトークンを対象とした準備資産構築のために1億ドルを調達したという。
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